彫る(読み)ホル

デジタル大辞泉 「彫る」の意味・読み・例文・類語

ほ・る【彫る】

[動ラ五(四)]《「掘る」と同語源》
木・石・金属などに文字模様・絵などを刻み込む。また、木や石などを削って像を作る。彫刻する。「墓碑名前を―・る」「仏像を―・る」
入れ墨をする。「背中倶梨伽羅くりからを―・る」
[可能]ほれる
[類語](1こそげる剝がす剝ぐ剝く引き剝ぐ引っぺがす引っぱがす引き剝がす剝ぎ取るへぐへがす削ぐ削る剃る剪む削ぎ取る削ぎ落とす削げる剃り落とす/(2入れ墨彫り物刺青タトゥーくりからもんもんげい文身ぶんしん入れ黒子ぼくろ黥首げいしゅ黥面げいめん筋彫り箚青さっせい墨刑ギミックアクセサリー刻む

え・る〔ゑる〕【彫る/×雕る/×鐫る】

[動ラ五(四)]
彫刻する。ほりつける。
「この二つの法諡はいずれも石に―・られなかった」〈鴎外渋江抽斎
ほり刻んで、金銀珠玉をはめ込む。
「朧に薄紅螺鈿らでんを―・る」〈漱石虞美人草
くりぬく。穴をあける。
「穴を―・りて獄をつくりて」〈愚管抄・七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「彫る」の意味・読み・例文・類語

え・るゑる【彫・雕・鐫】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 彫刻する。刻む。彫りつける。
    1. [初出の実例]「能巧の雕(ヱ)れる所に、浅工力を加ふ〈興福寺本訓釈 雕 恵礼流〉」(出典日本霊異記(810‐824)序)
  3. 所々を刻んで、金銀珠玉などをはめ込む。ちりばめる。
    1. [初出の実例]「紺瑠璃には五葉の枝、白きには梅をゑりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
  4. 穴をあける。くりぬく。
    1. [初出の実例]「舟を刳(ヱリ)」(出典:大唐三蔵玄奘法師表啓平安初期点(850頃))

えじく・るゑじくる【彫】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ほる。ほじくる。
    1. [初出の実例]「古実作法も弁へず、ふしといへば目をせせって厘毛を争ひゑじくり悪ふ山といふ文句には山の様にふしを打(うち)」(出典:談義本・穴意探(1770))

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