出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
千葉県安房(あわ)郡鋸南(きょなん)町の鋸(のこぎり)山の中腹にある曹洞(そうとう)宗の寺。山号は乾坤(けんこん)山。聖武(しょうむ)天皇の勅願によって行基(ぎょうき)が開創。本尊の薬師瑠璃光如来(るりこうにょらい)は総高31メートルの石造大仏。初めは法相(ほっそう)宗、ついで天台宗に属した。1181年(養和1)源頼朝(よりとも)が再建、1331年(元弘1・元徳3)兵火で焼かれ、1345年(興国6・貞和1)足利尊氏(あしかがたかうじ)が堂宇を建立した。戦国時代に荒廃したが、1774年(安永3)愚伝(ぐでん)が伽藍(がらん)を再建した。境内には、愚伝の発願で大野甚五郎(じんごろう)らが刻んだという1553体の石仏(東海千五百羅漢)が並ぶ。寺宝の梵鐘(ぼんしょう)は国重要文化財。
[菅沼 晃]
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