旧日本開発銀行と旧北海道東北開発公庫が1999年10月に統合して発足。政府が全額出資している。同じ政府系金融機関でも日本政策金融公庫や商工中金が個人事業主や中小企業向けを主に手掛けるのに対し、大企業向けの資金供給やファンドへの投資に注力している。2020年9月末の貸出金残高は14兆3767億円。
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2008年(平成20)10月、株式会社日本政策投資銀行法(平成19年法律第85号)に基づいて設立された全額政府出資の特殊会社。略称DBJ。そもそも日本政策投資銀行は、1999年(平成11)10月に特殊法人等の整理合理化の一環として、日本開発銀行と北海道東北開発公庫が統合し、全額政府出資の政府金融機関として発足した。しかし、2005年に出された「政策金融改革の基本方針」において「大企業、中堅企業向け融資であり、国全体として資金不足であった高度成長期とは異なり、民間市場から貸付のみならず、社債や株式等さまざまな形態で資金の取り入れが可能であり、政策金融として行う必要がなくなっているため、撤退する」という方針が決まった。この方針に基づき、2006年の「政策金融改革に係る制度設計」に沿って、おおむね2013~2015年の間に完全民営化(政府保有株式のすべてを処分)する目的で設立されたのが、現在の株式会社日本政策投資銀行である。
したがって、本来であれば「完全民営化の実現に向けて経営の自主性を確保すること」が設立の目的となる。しかし、2008年9月に発生したリーマン・ショックおよび2011年3月に発生した東日本大震災等により、危機対応時に政府による増資を受けられるようにするとともに、政府による株式保有を含めたDBJの組織のあり方を見直すこととなった。
そこで、2015年5月20日に施行された「株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律」(平成27年法律第23号)では、設立目的である完全民営化の方針は維持しつつも、以下のような内容が組み込まれることとなった。
(1)経済危機や大規模災害等の危機に対応する業務の義務づけ リーマン・ショックのような経済危機や東日本大震災のような大規模な災害等に対応するための資金の供給確保に万全を期すため、当分の間、DBJに対して危機対応業務が義務づけられた。
(2)特定投資業務の創設 地域経済の活性化や企業の競争力強化等に資する成長資金の供給を促進する観点から、国から一部出資(産業投資出資金)を受け、「競争力強化ファンド」を強化・発展する形で、新たな投資の仕組みである「特定投資業務」が創設された。
ここで産業投資とは、リスクが高く民間だけでは十分に資金が供給されないものの、政策的必要性が高くリターンが長期的に期待できる事業に対して、リターンが出るまで長期的に耐えうる資金(長期リスクマネー)等として供給することである。この産業投資として、国が保有する株の配当金や国庫納付金などを原資として行う、産業開発や貿易振興のための出資のことを「産業投資出資金(産投出資)」という。また、「競争力強化ファンド」は2013年3月に設立された、企業におけるイノベーションや企業価値向上のための取り組みを支援するためのファンドのことである。
(3)政府によるDBJの一定以上の株式保有の義務づけ等 危機対応および成長資金の供給に対しDBJの投融資機能を活用することを踏まえ、政府によるDBJの一定以上の株式保有の義務づけ等、所要の措置が講じられた。
2017年3月末時点で、資本金1兆0004億2400万円(全額政府出資)、職員数1192人となっている。本店所在地は東京都千代田区大手町1-9-6。
[前田拓生 2018年4月18日]
(2015-1-13)
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