伝統ある囲碁の発達を図り、文化の向上に資するとともに、国内外への普及を目的とする公益財団法人。1924年(大正13)に本因坊派、方円社、稗聖会(ひせいかい)の諸団体が合併し、男爵大倉喜七郎(きしちろう)(1882―1963)の援助により創立された。これは幕藩体制とともに家元制度が崩壊して以来続いていた、囲碁界の混乱状態に終止符を打つ「碁界大合同」といわれている。事業内容は、各種棋戦の実施運営、プロ棋士養成等のマネジメントから、国内外への普及、アマチュア囲碁大会の実施運営、棋力の認定と免状の発行、そのほか囲碁に関する書籍、雑誌、新聞の発行とインターネットでのサービスなど、囲碁全般にわたる。1990年代以降は、中国棋院、韓国棋院と連携して、国際プロ棋戦の実施も増えている。加盟国・地域74(2012年時点)を数える国際囲碁連盟(IGF: International Go Federation)の事務局を兼ね、世界アマチュア囲碁選手権戦を毎年主催している。2013年(平成25)4月の時点で、初段から九段まで326名のプロ棋士と56名の職員を擁す。国内では市ヶ谷の東京本院のほか、東京・有楽町(ゆうらくちょう)囲碁センター、大阪と名古屋に総本部が置かれ、海外ではアムステルダム、ニューヨーク、シアトル、サンパウロの4か所の囲碁センターを普及の拠点としている。
[日本棋院広報]
『『定石大事典』上下(1986~1987)』▽『『布石大事典』(1989)』▽『『手筋大事典』(1992)』▽『水口藤雄著『囲碁の文化誌』(2001・以上、日本棋院)』▽『『現代囲碁大系 現代囲碁史概説・現代囲碁史年表』(1984・講談社)』▽『中山典之著『囲碁の世界』(1986・岩波書店)』▽『平本弥星著『囲碁の知・入門編』(2001・集英社)』▽『中山典之著『昭和囲碁風雲録』上下(2003・岩波書店)』▽『中山典之著『完本 実録囲碁講談』(2003・岩波書店)』▽『『週刊碁』週刊』▽『『月刊碁ワールド』月刊』▽『『囲碁未来』月刊』▽『『囲碁年鑑』各年刊(以上、日本棋院)』
囲碁の発展・普及を目的とする財団法人。1924年,時の碁界をほぼ二分していた本因坊門と方円社の大同団結によって成立し,以降幾多の波乱を越えて碁界の隆盛のために大きな役割を果たしてきた。おもな事業は(1)専門棋士の養成と段位決定のための大手合開催,(2)新聞棋戦など各種棋戦の主催,(3)国内外への碁の普及とアマチュア免状の発行,(4)出版活動などである。東京本院(千代田区五番町)のほか,大阪に関西総本部,名古屋に中部総本部を置き,それぞれの会館で大手合を行っている。専門棋士の総数は合わせて270名(1984現在)。なお,関西棋院は1950年に日本棋院から分離独立した別組織で,日本棋院との交流手合のほかに独自の大手合,新聞棋戦を開催している。
執筆者:林 裕
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…幕府の崩壊により家元は禄を離れ,碁界にとっての苦難の道が始まる。
[方円社から日本棋院へ]
明治維新後の新しい波は秀策の弟弟子村瀬秀甫によって起こされた。家元制を否定する組織〈方円社〉は一般社会への碁の普及を図り,雑誌《囲棋新報》(1879‐1924)を発行するなど時流にのって発展した。…
※「日本棋院」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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