芸術文化の振興や普及を図るための文部科学省所管の独立行政法人。英語名はJapan Arts Council。独立行政法人日本芸術文化振興会法(平成14年法律第163号)に基づいて2003年(平成15)10月設立。本部は東京都千代田区隼(はやぶさ)町。
日本芸術文化振興会は1966年(昭和41)に創設された特殊法人国立劇場を前身とし、1990年(平成2)、特殊法人日本芸術文化振興会に改称、2003年に独立行政法人化し、日本の伝統的な芸能の保存・振興を図ってきた。その間に、1983年には東京都渋谷区に国立能楽堂が、1984年には大阪市中央区に国立文楽劇場がそれぞれ開場し、伝統芸能の総合センターとして発展した。さらに1997年にオペラ・バレエ・現代舞踊・演劇等の現代舞台芸術の振興および普及を図ることを目的とした新国立劇場が東京都渋谷区に、新国立劇場舞台美術センター資料館が千葉県銚子(ちょうし)市に開場。2003年には国立劇場敷地内に伝統芸能情報館を開館した。また、2004年には、組踊(くみおどり)等の沖縄伝統芸能の保存および振興を図ることを目的とした国立劇場おきなわが沖縄県浦添(うらそえ)市に開場し、総合的な舞台芸術の振興を担うこととなった。
日本芸術文化振興会は、次のような事業を行っている。(1)芸術文化活動に対する援助。芸術家・芸術団体が行う芸術の創造普及を図るための活動、地域の文化振興を目的として行う活動等に対し芸術文化振興基金による援助(助成金の交付)。(2)伝統芸能の公開および現代舞台芸術の公演。(3)伝統芸能の伝承者の養成および現代舞台芸術の実演家その他の関係者の研修。研修課程として、歌舞伎(かぶき)俳優、歌舞伎音楽(竹本・鳴物(なりもの)・長唄(ながうた))、文楽(大夫(たゆう)・三味線・人形)、大衆芸能(寄席囃子(よせばやし)・太神楽(だいかぐら))、能楽三役(ワキ・囃子・狂言)、組踊(立方(たちかた)・地方(じかた))を設置。現代舞台芸術については、オペラ歌手、バレエダンサー、演劇俳優を育成するための研修。(4)伝統芸能および現代舞台芸術に関する調査研究、資料収集・利用。伝統芸能・現代舞台芸術について、各種の調査研究を行い、公演の充実に活用するほか、広く普及啓発に資する書籍の刊行等。収集した図書、資料等は資料室での閲覧のほかインターネットでも公開。(5)劇場施設の貸付。伝統芸能の保存振興、現代舞台芸術の振興普及等を目的とする事業等に対する貸付。2011年3月時点での資本金は2468億1900万円、職員数は301人。
[編集部]
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