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春鶯囀 しゅんのうでん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春鶯囀
しゅんのうでん

日本の雅楽の曲名。唐楽壱越 (〈いちこつ〉。主音ニ) の曲,『天長宝寿楽』『和風長寿楽』などの異名があった。唐の太宗の作とも,唐の高宗うぐいすの声を聞いて白明達という者に命じてその声をまねて作らせたともいわれる。承和 12 (845) 年尾張浜主が 113歳の高齢でこの曲を舞ったのは有名。曲は「遊声」「序」「颯踏」「入破 (じゅは) 」「鳥声 (てっしょう) 」「急声 (きっしょう) 」の6楽章から成る大規模な曲で,舞いがあり,4人あるいは6人で舞われる。6楽章全部を演奏する場合には「春鶯囀一具」という。「颯踏」と「入破」だけを独立して舞ったり,器楽だけで演奏することもある。なお朝鮮の雅楽に同名の曲があるが,音楽も舞いも日本のものと全然別種で1人で舞う。

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デジタル大辞泉の解説

しゅんおうでん〔シユンアウデン〕【春鶯囀】

しゅんのうでん(春鶯囀)

しゅんのうでん〔シユンアウデン〕【春鶯囀】

《「しゅんおうでん」の連声(れんじょう)》雅楽。唐楽壱越(いちこつ)調の大曲。六人または四人舞。の高宗がウグイスの声を模して作らせたという。天長宝寿楽。天寿楽。

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百科事典マイペディアの解説

春鶯囀【しゅんのうでん】

雅楽の舞楽の曲名。音楽は壱越(いちこつ)調の唐楽で,四大曲の一つ。曲は遊声(ゆせい),序,颯踏(さっとう),入破(じゅは),鳥声(てっしょう),急声(きっしょう)の6部分からなる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しゅんのうでん【春鶯囀】

雅楽,管絃,舞楽の曲名。唐楽にふくまれ壱越(いちこつ)調。6人(あるいは4人)舞の文ノ舞(平舞)。唐楽の四箇(しか)の大曲(《皇麞(おうじよう)》《春鶯囀》《蘇合香(そごうこう)》《万秋楽》)の一つ。別名を《天長宝寿楽》《天長楽》《長寿楽》《宝寿楽》などという。番舞(つがいまい)は《退走禿(たいそうとく)》。古くは女性10人が舞ったとされるが,近代は男性が舞う。左方襲(常)装束の袍(ほう)の両肩をぬぎ,下に着ている半臂(はんぴ)を見せ,この曲用の別甲(べつかぶと)をかぶる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

春鶯囀
しゅんのうでん

雅楽の曲名。「天長宝寿楽」「和風(かふう)長寿楽」ともいう。雅楽の唐楽曲で、『皇(おうじょう)』『万秋楽(まんじゅうらく)』『蘇合香(そこう)』とともに「四箇大曲(しかのたいきょく)」として重んじられている。4人あるいは6人の舞を伴う舞楽で、壱越調(いちこつちょう)。唐の太宗、または音曲に通じた高宗の作という。遊声(ゆうせい)、序、颯踏(さっとう)、入破(じゅは)、鳥声(てっしょう)、急声(きっしょう)の6章からなる大曲で、颯踏にはこの曲にのみ固有の「肩指手(かたさして)」という、両手を肩につける舞手がある。番舞(つがいまい)は『退走禿(たいそうとく)』。
 奈良・興福寺の僧円憲得業は雅楽の名手であったが、春の朝、浄明院という僧房でこの曲を吹くと、ウグイスが寄ってきて笛と同じ音でさえずったといい、平安初期の雅楽家尾張浜主(おわりのはまぬし)が113歳の高齢で当曲を美しく舞ったとも伝える。『枕草子(まくらのそうし)』には「調べは風香調(ふうこうちょう)。黄鐘(おうしき)調。蘇合(そごう)の急。鶯(うぐいす)のさへづりという調べも」(201段)とある。[橋本曜子]

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