木守(読み)コモリ

デジタル大辞泉の解説

こ‐もり【木守】

庭園の樹木などを守って世話をすること。また、その番人
「―といふ者の、築地(ついぢ)のほどに廂(ひさし)さしてゐたるを」〈・八七〉

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世界大百科事典 第2版の解説

こもり【木守】

権門,寺社,官衙などの造営材木集積・加工場所たる木屋所(きやしよ)の番人。奈良・平安時代,大寺社や権門勢家の邸宅などの造営,修理がやすむことなく続けられたが,それには材木の集積が不可欠であった。そのような材木の集積場所として,泉木津(現,京都府相楽郡木津町)など各地の交通至便な地点には,各権門,大寺社などの木屋所が設定され,そこに木守が置かれた。例えば泉木津に置かれた東大寺の木屋所は,畠地4町の敷地であったが,1160年(永暦1)には,東大寺の木守3名と15人の寄人(よりうど)が居住し,寺役を務めており,その上に木屋預(きやあずかり)が置かれていたことがわかる。

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大辞林 第三版の解説

こもり【木守】

庭などの樹木の番人。庭番。 「 -といふ者の、築土ついじのほどに廂さしてゐたるを/枕草子 87

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精選版 日本国語大辞典の解説

き‐まぶり【木守】

〘名〙
① 「きまもり(木守)」の変化した語。
※狂言記・柿売(1660)「かへせや、合せがきとよばわれど、よばわれど、とりのこされし、きまぶりの」
② (比喩的に) とり残された人。最後に残された人。
※玉塵抄(1563)三三「枝にねゆると云は官にとりついてをちずして木まふりなどと云やうなことぞ」
※浄瑠璃・国性爺合戦(1715)一「せいじんして、若みやに忠臣のねつぎとなれ、我らが家の木まぶりと」

き‐まもり【木守】

〘名〙 翌年の豊作を祈って、果樹に一つだけとり残しておく果実。《季・冬》
※虎明本狂言・合柿(室町末‐近世初)「とりのこさるる木守りの」
※俳諧・毛吹草(1638)五「花々の木守(きマモ)りなるかをそ桜〈定勝〉」

き‐もり【木守】

こ‐もり【木守】

〘名〙
① 庭園などの樹木を守ること。また、その番人。
※枕(10C終)八七「こもりといふ者の、築土のほどに廂さしてゐたるを」
※今昔(1120頃か)二七「木幡に我が居たりし所には、木守(こもり)に雑色一人をなむ置たる」
② 木材を加工する工人。小規模な造作、修理を行なう工人。
※東大寺続要録(1281‐1300頃)拝堂篇「木工両座〈加木津木守〉」

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