本遠寺(読み)ほんのんじ

日本歴史地名大系 「本遠寺」の解説

本遠寺
ほんのんじ

[現在地名]身延町大野

富士川の西岸大野おおの(四〇四メートル)の東麓に位置する。日蓮宗。大野山と号し、本尊は大曼陀羅。「甲斐国志」「寺記」に「日蓮宗一本寺」とあり、身延山久遠くおん寺から独立した本寺であった。両書によると、慶長一四年(一六〇九)徳川家康の側室お万の方(養珠院妙紹日心尼)が久遠寺二二世日遠を開山として創建した。お万の方は紀州和歌山藩祖徳川頼宣・水戸藩祖徳川頼房の生母である。開山の日遠は京都の生れで、六歳の時に身延山二〇世日重のもとで出家し、三三歳で身延山に住んだ。慶長一三年江戸において浄土宗と日蓮宗との宗論があり(慶長の法難)、日蓮宗側がこれに敗れ、幕府から「念仏を申地獄へ堕と云名言者、経尺中に無之候」という誓文の提出を求められた(一二月一一日「池上本門寺日詔等連署書状」増上寺文書)

本遠寺
ほんのおじ

[現在地名]熱田区田中町

妙光山と号し、日蓮宗。本尊法華経題目宝塔。寺伝によれば、初めは熱田社の境内法華堂としてあり、阿福長者の建立とも、延暦年中(七八二―八〇五)最澄の建立とも伝える。最澄がこの堂で法華経百日の修行をし、日蓮もこの堂にこもって百日読経をして立宗の祈願をしたと伝える。日朗九老僧の一人日澄が尾張に巡化した時、熱田社の社司に請い、この堂を本堂として応安年中(一三六八―七五)に当寺を建立したという(雑志)が、「尾陽雑記」は、文和二年(一三五三)の創建と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「本遠寺」の解説

本遠寺

山梨県南巨摩郡身延町にある日蓮宗の寺院。1609年創建と伝わる。本堂、鐘楼堂は国の重要文化財に指定されている。

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