松之山温泉(読み)まつのやまおんせん

日本歴史地名大系 「松之山温泉」の解説

松之山温泉
まつのやまおんせん

[現在地名]松之山町湯本

湯本ゆもと集落の東、急峻な谷間を流れる越道こえどう川の支流沿いにある。正平年間(一三四六―七〇)傷ついた鷹が治療しているところを樵が見つけ温泉の存在を知ったとの伝説が残る。胃病や痔疾・疥瘡などに効くといわれる。戦国時代には上杉氏の隠し湯として用いられ、文亀三年(一五〇三)と思われる八月九日の中条弾正(藤資)宛の黒田良忠書状(三浦和田中条氏文書)に「御曹司様御祝言之事、来十九日ニ相定候処、かミ様御瘡気御座候間、松山へ御湯治候」とみえ、守護上杉房能の女が後の守護上杉定実との祝言を延期して、松之山温泉へ湯治に赴いている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松之山温泉」の意味・わかりやすい解説

松之山温泉
まつのやまおんせん

新潟県南部、十日町市(とおかまちし)にある温泉。越道川の上流にある。古くから日本三大薬湯に数えられた山の湯治場で、鏡(かがみ)の湯、鷹(たか)の湯、庚申(こうしん)の湯、湯田の湯、湯坂の湯、じょうもんの湯などからなる。現在は、スキー場や野鳥宝庫として自然に親しめる近代温泉街になっている。泉質塩化物泉付近謡曲松山鏡』で有名な鏡ヶ池(かがみがいけ)、管領塚などがある。JR飯山(いいやま)線十日町駅からバスの便がある。

[山崎久雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松之山温泉」の意味・わかりやすい解説

松之山温泉
まつのやまおんせん

新潟県南部,十日町市西部にある温泉。鷹ノ湯,鏡ノ湯,庚申ノ湯の3湯からなる。泉質は食塩泉泉温 98℃。婦人病効能があるといわれる。最も歴史の古い鷹ノ湯は室町時代に発見された。付近に謡曲『松山鏡』で知られる鏡ヶ池や,キャンプ場の大松山などがあり,野鳥の宝庫でもある。直峰松之山大池県立自然公園に属する。

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事典・日本の観光資源 「松之山温泉」の解説

松之山温泉

(新潟県十日町市)
日本三薬湯指定の観光名所。

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