柳家小三治(読み)ヤナギヤコサンジ

デジタル大辞泉 「柳家小三治」の意味・読み・例文・類語

やなぎや‐こさんじ〔‐こサンヂ〕【柳家小三治】

[1939~2021]落語家。10世。東京の生まれ。本名郡山剛蔵こおりやまたけぞう。5世柳家小さん入門真打に昇進すると、正統派古典落語担い手として活躍。巧みなまくら人気となり、「まくらの小三治」と称された。人間国宝

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「柳家小三治」の意味・わかりやすい解説

柳家小三治(10世)
やなぎやこさんじ[じっせい]

[生]1939.12.17. 東京,東京
[没]2021.10.7. 東京
落語家。本名郡山剛蔵。東京都立青山高等学校卒業。学生時代にラジオ『しろうと寄席』で 15週勝ち抜き。1959年,5世柳家小さんに入門し,前座名は柳家小たけ。1963年二つ目に昇進し,柳家さん治と改名。1969年真打ちに昇進し,10世柳家小三治を襲名。古典落語の本格派として邁進国立劇場で行なわれる『落語研究会』のレギュラーに抜擢される。その間,『お好み演芸会』(日本放送協会 NHK)の大喜利司会などテレビでも活躍。1981年芸術選奨文部大臣新人賞,2004年芸術選奨文部科学大臣賞受賞。2005年紫綬褒章受章。2014年重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。2009年ドキュメンタリー映画『小三治』が公開される。2010~14年落語協会会長就任。得意ネタは『芝浜』『死神』『野ざらし』『大山詣り』『小言念仏』『二人旅』『金明竹』など多数。『ドリアン騒動』など,落語の導入部にこだわりのあれこれを語るマクラ(枕)も魅力。著書『ま・く・ら』(1998),『落語家論』(2001)など。(→落語

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新撰 芸能人物事典 明治~平成 「柳家小三治」の解説

柳家 小三治(8代目)
ヤナギヤ コサンジ


職業
落語家

本名
高橋 栄次郎

別名
前名=柳家 小ゑん

生年月日
明治34年 6月3日

出生地
東京・日本橋

経歴
母は日本橋住吉町で有名な髪結いであった。幼少の頃近所に住む4代目橘家円喬から可愛がられる。高等小学校卒業後、横浜で傘屋に奉公した後、3代目柳家小さんの門人となり小ゑんを名乗る。昭和4年真打昇進。8代目柳家小三治を名乗る。しかし、まだ7代目小三治(林家三平実父)がいたため、7代目小三治は7代目林家正蔵に改めることになった。有望視されていたが、戦後の22年、持病の蓄膿症悪化のため噺家をやめ落語協会事務員となった。52年5月引退するまで裏方に徹して活躍した。

没年月日
昭和52年 11月27日 (1977年)


柳家 小三治(6代目)
ヤナギヤ コサンジ


職業
落語家

本名
内田 留三郎

別名
前名=柳家 小志ん,柳家 小きん

生年月日
明治29年 8月19日

経歴
大正3〜4年頃に3代目柳家小さんに入門、小志ん。6年小きんを名乗り、7年5代目小三治が4代目蝶花楼馬楽を襲名すると同時に6代目小三治を継いだ。“留っこ”と呼ばれ、芸の筋は良かったが、酒に溺れて早死にしたという。

没年月日
?

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「柳家小三治」の解説

柳家小三治(10代) やなぎや-こさんじ

1939- 昭和後期-平成時代の落語家。
昭和14年12月17日生まれ。昭和34年5代柳家小さんに入門,小たけ,さん治をへて44年10代小三治を襲名して真打となる。正統派古典落語の担い手として活躍。平成16年芸術選奨。22年落語協会会長(26年顧問)。著作に「小三治楽語対談」「小三治名席」など。26年人間国宝。27年江戸の古典落語を体現した一連の高座で毎日芸術賞。東京出身。青山高卒。本名は郡山剛蔵。

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367日誕生日大事典 「柳家小三治」の解説

柳家 小三治(10代目) (やなぎや こさんじ)

生年月日:1939年12月17日
昭和時代;平成時代の落語家

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の柳家小三治の言及

【落語】より

…軽妙な3代春風亭柳好(りゆうこう)(1889‐1956),明快な弁舌の3代三遊亭金馬,粋な3代桂三木助,近代落語の巨星8代桂文楽,独特の名人芸の5代古今亭志ん生,持ちネタの数と至芸を誇った6代三遊亭円生,人情噺,芝居噺の名手林家彦六(8代林家正蔵),新作の闘将5代古今亭今輔(いますけ)(1898‐1976)などが黄金時代を形成した。 1985年現在の東京には,〈落語協会〉に,滑稽噺の名手5代柳家小さん,新作の3代三遊亭円歌(1929‐ ),繊細で粋な2代古今亭志ん朝(1938‐ ),滑稽噺の人気者8代橘家円蔵(1934‐ ),飄逸な個性の10代柳家小三治(1939‐ )らがおり,〈芸術協会〉に,明朗な新作の4代桂米丸(よねまる)(1925‐ ),飄々たる妙味の新作の3代春風亭柳昇(1920‐ ),滑稽噺の10代桂文治らがおり,ほかに5代三遊亭円楽(1933‐ )一門,5代立川談志(1936‐ )一門などがあるが,志ん生,文楽などを筆頭にした名人上手の消えた穴は大きい。 一方,同じく現在の上方は,6代笑福亭松鶴(しよかく),3代桂米朝(べいちよう),3代桂春団治,3代桂小文枝(こぶんし)(1939‐ )などのベテランにつづいて,桂三枝(1943‐ ),2代桂枝雀(しじやく)(1939‐ ),桂文珍(ぶんちん)(1949‐ )などの若手が全国的な人気を集め,落語向きの寄席がないという悪条件のなかで,上方落語復興に精進をつづけている。…

※「柳家小三治」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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