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戦後の代表的な時代小説作家。岡山県生れ。本姓は斎藤。慶応大学支那文学科卒。予科在学中に処女作《十円紙幣》(1938)を発表,大学では魯迅に傾倒した。日本出版協会に勤めるうち召集され南方に派遣されたが,途中で遭難し奇跡的に助かった。1949年文筆に専念,《イエスの裔》(1952)で第26回直木賞を受けた。しかしよく知られるようになるのは56年に筆を起こす《眠狂四郎無頼控》(1956-58)からであり,伝奇性に富んだ時代ロマンの書き手として一時代をつくった。〈眠狂四郎〉シリーズのほかに《剣は知っていた》(1956-57),《柴錬立川文庫》,《図々しい奴》(1960-61)など話題作も多く,《英雄ここにあり》で1970年第4回吉川英治文学賞を受けた。
執筆者:尾崎 秀樹
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小説家。本姓斎藤。岡山県生まれ。慶応義塾大学支那(しな)文学科卒業。1942年(昭和17)応召、南方海域で漂流ののち奇跡的に生還。終戦後、編集者生活を経て51年(昭和26)『イエスの裔(すえ)』で直木賞を受賞。56年『眠(ねむり)狂四郎無頼控』(1956~58)で時代小説作家としての地位を確立、70年『柴錬三国志 英雄ここにあり』で吉川英治文学賞を受賞した。奔放な想像力を羽ばたかせた伝奇小説『赤い影法師』『木乃伊(みいら)館』『異常の門』『血汐笛(ちしおぶえ)』などに作者の本領が発揮され、むだを省いたスピード感のある即物的文体に特色がある。
[磯貝勝太郎]
『『イエスの裔』(1980・冬樹社)』
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