柴胡(読み)サイコ

精選版 日本国語大辞典 「柴胡」の意味・読み・例文・類語

さい‐こ【柴胡】

  1. 〘 名詞 〙 セリ科植物ミシマサイコ、ハクサンサイコなどの類の漢名。特にミシマサイコの根を乾燥したものを慢性体熱をとる解熱剤とし、漢方医学では呼吸器病などに使用される。〔言継卿記‐天文一八年(1549)八月五日〕
    1. [初出の実例]「かげろふや柴胡の糸の薄曇〈芭蕉〉」(出典:俳諧・猿蓑(1691)四)

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漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「柴胡」の解説

さいこ【柴胡】

漢方薬に用いる生薬(しょうやく)の一つ。セリ科ミシマサイコの根を乾燥したもの。以前静岡県の三島付近で産したのが名の由来。相当量のサポニンを含み、消炎解熱解毒鎮痛などの作用がある。神経痛肋膜(ろくまく)炎に効く柴胡桂枝湯(けいしとう)気管支炎気管支喘息(ぜんそく)に効く神秘湯(しんぴとう)肝炎高血圧に効く大柴胡湯(だいさいことう)などに含まれる。

出典 講談社漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典について 情報

普及版 字通 「柴胡」の読み・字形・画数・意味

【柴胡】さいこ

のぜり。

字通「柴」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の柴胡の言及

【ミシマサイコ】より

…今日でも野生品が採集されるが,だんだん少なくなり,各地で栽培されるようになった。根を柴胡(さいこ)とよび,解熱,鎮痛,解毒薬として用い,重要な薬用植物の一つである。本州,四国,九州,朝鮮に分布する。…

※「柴胡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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