栗野(読み)くりの

日本大百科全書(ニッポニカ) 「栗野」の意味・わかりやすい解説

栗野
くりの

鹿児島県中部、姶良郡(あいらぐん)にあった旧町名(栗野町(ちょう))。現在は湧水(ゆうすい)町の南部を占める。旧栗野町は1932年(昭和7)町制施行。2005年(平成17)吉松(よしまつ)町と合併し湧水町となった。旧町域は霧島(きりしま)火山西部栗野岳(1094メートル)西麓(せいろく)、川内川(せんだいがわ)中流の小盆地を占める。JR肥薩(ひさつ)線が通じ、九州自動車道の栗野インターチェンジがあるほか、国道268号も走る。東部の栗野岳一帯は霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園に属し、中腹760メートルには栗野岳温泉泉質は硫黄泉、放射能泉)があって、大噴気孔(八幡地獄(はちまんじごく))がみられる。また、山麓は大規模な乳牛、和牛の放牧場となっている。ハナショウブ自生南限地(国指定天然記念物)でもある。

[田島康弘]

『『栗野町郷土誌』(1975・栗野町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「栗野」の意味・わかりやすい解説

栗野
くりの

鹿児島県北東部,湧水町南部の旧町域。霧島火山群(→霧島山)の西麓にある。1932年町制。2005年吉松町と合体し湧水町となる。中心地区の木場(こば)は,江戸時代は島津氏の直轄地集落があった。東部に霧島火山群に属する栗野岳(1102m),西部に国見岳(648m)があり,中部はシラス台地が分布する。川内川流域では米,葉タバコ,サツマイモの生産が多く,和牛の飼育も行なわれる。製材,デンプン加工は主要産業。栗野岳中腹 700mには栗野岳温泉や八幡地獄と呼ばれる大噴気口があり,付近の高原は第2次世界大戦後開拓され,広い放牧地となっている。三日月池にあるハナショウブ自生地帯は日本の自生の南限となっており国の天然記念物。栗野岳一帯は霧島錦江湾国立公園に属する。

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改訂新版 世界大百科事典 「栗野」の意味・わかりやすい解説

栗野 (くりの)

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