国見岳(読み)くにみだけ

世界大百科事典 第2版の解説

九州山地の中央部,宮崎・熊本両県境に位置する山。標高1739m。地質は古生層からなり,北の三方山(1578m)から南の烏帽子岳(1692m)にかけて稜線連なり,耳川と球磨(くま)川の支流川辺川の分水界をなす。九州の屋根と呼ばれる急峻な山地で,東の宮崎県椎葉(しいば)村,西の熊本県泉村五家荘(ごかのしよう)はともに中世の落人村と伝えられる。山頂からは北の阿蘇山,南の霧島山など遠方の山々をのぞむことができる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

熊本県東端、宮崎県境にある山。九州山地北部に属する高峰(1739メートル)で、片麻(へんま)岩からなり、緑川、川辺(かわべ)川、耳川などの分水界をなす。熊本県の最高峰で、山頂は南の小国見と主峰の大国見に分かれ、穏やかな山容を呈しているが、深いV字谷、うっそうとした林相が長年にわたって人の往来を疎にさせ、秘境とされてきた。その林相は山頂付近のブナ帯から標高を下げるにしたがって増えるツガ、モミ、やがて照葉樹林へと変わる。森林資源の開発を意図した林道の開設、延長は、これらの原生景観の存続地域を山頂や尾根付近にとどめてしまっただけでなく、ツクシシャクナゲ、ハクウンボクの群落や、ヤマネ、クマタカの生息地の多くを破壊してしまっている。山懐に抱かれていた小集落も統合移転や挙家離村によって、廃屋化が目だっている。[山口守人]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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