根上(読み)ねあがり

精選版 日本国語大辞典 「根上」の意味・読み・例文・類語

ね‐あがり【根上】

〘名〙
① 雨や風で土が取り除かれ、地上に現われ出た木などの根。
※為尹千首(1415)雑「海士の子のうら戸口出入りのいそやにちかき松のねあがり」
日本髪で、髷(まげ)の根を普通より上にして結ったもの。
国民新聞‐明治二四年(1891)一一月二六日「近来髪形ちの一変して根上りとなりたぼを長くなすことが流行り出してより」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「根上」の意味・わかりやすい解説

根上
ねあがり

石川県南部、能美郡(のみぐん)にあった旧町名(根上町(まち))。現在は能美市西部を占める地域。旧根上町は1934年(昭和9)町制施行。2005年(平成17)能美郡寺井(てらい)町、辰口(たつのくち)町と合併して市制施行、能美市となった。日本海に面し砂丘と後背低地からなる。JR北陸本線が通じ、海岸を北陸自動車道が走り、国道8号が東部を通る。古代の能美郡家の地と推定され、中世の官道木曽街道(きそかいどう)が残る。近世海浜では製塩が行われ釜屋(かまや)の地名を残し、新開や絹織物生産も行われた。明治以降、織物業が発展し、第二次世界大戦後は砂丘地に手取(てどり)川の伏流水を利用する染色精練工業のほか、合繊織物、撚糸(ねんし)、機械・金属工業などの工場が立地し工業地帯を形成している。九谷焼(くたにやき)など窯業も行われ、近代農業のモデル地域でもある。加賀舞子(かがまいこ)海浜公園がある。

[矢ヶ崎孝雄]

『『根上町史』(1974・根上町)』『『新修根上町史』全4巻(1992~1995・根上町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「根上」の意味・わかりやすい解説

根上
ねあがり

石川県南西部,能美市西部の旧町域。手取川河口南部にある。西は日本海に面する。 1934年町制。 1956年吉田村の一部を編入。地名は西部の古戦場にあった「根上松」に由来する。 2005年寺井町,辰口町と合体し能美市となる。農業では米作が中心。江戸時代以来織物業が行なわれ,明治期から機業が盛ん。砂丘地帯には北陸自動車道が開通し,小松インターチェンジが開設されてから繊維,金属,化学などの工場が進出し,工業地帯として発展。海岸にある「釜屋」のつく地名は,江戸時代の製塩場の名残りである。

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改訂新版 世界大百科事典 「根上」の意味・わかりやすい解説

根上 (ねあがり)

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