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根抵当 ねていとう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

根抵当
ねていとう

債権者と債務者の間に生じる不特定多数の債務を一括して担保するために設定される抵当権。 1971年の民法改正で規定がおかれた (398条ノ2以下) 。根抵当権では当事者間の約定による極度額の範囲内であれば,担保される元本額の変動が可能であり,たとえば数個の被担保債権のうち1個が消滅したり,新たに生じた債権を被担保債権に加えたりする場合にその都度抵当権を設定し直す必要がない。その意味では抵当権の存続,消滅における付従性が緩和されているといえる。根抵当権は,抵当権者と債務者や物上保証人など抵当権設定者の間の合意によって,被担保債権の範囲と極度額を定めて設定される。被担保債権は原則として約定によって定められた一定の種類の取引から生じるものに限られ,それ以外の理由で生じた債権は含まれない。ただし,根抵当権の元本確定期以前であれば,上記の取引の種類の変更の約定は自由に行える。しかし極度額の変更は後順位抵当権者など利害関係者の承諾がないかぎり行えない。根抵当権の実行のためには被担保債権の額が確定しなければならないので,根抵当権では,一定の時期の到来や事由の発生により,元本を確定することになっている。そしてこの元本確定期以後は,元本額の変動はできなくなり,根抵当権も一般の抵当権とほぼ同様の存在となる。 (→根保証 )  

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デジタル大辞泉の解説

ね‐ていとう〔‐テイタウ〕【根抵当】

継続的な取引関係から生じる債権を担保するため、あらかじめ一定の限度額を定めておき、将来確定する債権をその範囲内で担保する抵当権当座貸越契約の際などに設定。

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百科事典マイペディアの解説

根抵当【ねていとう】

継続的な取引関係(当座貸越し契約,交互計算取引など)において将来発生するかもしれない債権の担保として一定の限度額まで優先弁済を受けることを認めた抵当権。従来,民法には規定はなく,判例によって認められてきたが,1971年の民法改正により立法化された(民法398条ノ2以下)。

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世界大百科事典 第2版の解説

ねていとう【根抵当】

将来生ずることが予想される不特定の債権を,極度額の範囲内で担保する抵当権。銀行とその取引先との継続的信用授受関係や問屋と小売商人との間の継続的物品供給関係等においては,多数の債務が生じたり,弁済されて消滅したりというように増減変動するが,それらを一括して担保するために設定される。根抵当について,民法起草者はとくに規定をおかなかったが,すでに民法施行前から存在しており,民法施行後まもなく判例によって認められた。

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大辞林 第三版の解説

ねていとう【根抵当】

担保物が負担すべき最高限度額(極度額)をあらかじめ設定しておき、将来発生する一定範囲の債権をその限度額内で担保する抵当権。銀行とその取引先のような継続的貸借関係で採用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

根抵当
ねていとう

「一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保する」抵当を根抵当という(民法398条の2~398条の22)。たとえば、問屋と小売商との間や銀行と企業との間では、信用取引が継続的かつ頻繁に行われている。商品の売買や金の貸付、代金の支払いや借入金の返済が継続的に行われ、それに応じて個々の債権は発生したり消滅したりしている。このような場合に、問屋や銀行が普通の抵当権を設定して債権を担保しようとすれば、個々の債権が消滅するにしたがって抵当権は消滅するから、個々の債権が発生するごとに問屋や銀行は抵当権を設定しなければならないことになる。このような不便な結果を回避するために、取引の慣行として行われていたものが根抵当権である。
 すなわち、継続的な取引において将来生じるであろう多数の債権を、債権額の合計が一定の額を超えない限度において担保する抵当権が設定されるようになった。このような抵当権は、将来の債権を担保するものであり、また、個々の債権が消滅してもそれに伴って消滅することがないという点において、普通の抵当権の性質に反するものである。そこで、かつては、根抵当権が有効であるか否かが争われたが、判例はその有効性を認めてきた。1971年(昭和46)に民法が一部改正されて第398条の2から第398条の22までの条文が追加され、現在では根抵当につき明文の規定が置かれている。
 根抵当権は、特定の債権を担保するわけでない点、および、被担保債権の額が一定でなく変動するものである点において、普通の抵当権と異なるが、そのほかの点については普通の抵当権と異なるものでない。しかし、前述の差異に基づいて根抵当権は特別に扱われる。第一に、どのような取引によって生じた債権が担保されるのか、つまり被担保債権の範囲を契約(根抵当権設定契約という)であらかじめ決めておかなければならない(民法398条の2第2項)。第二に、根抵当権によって担保される債権の総額(極度額という)を契約で決めておかなければならない。これらは、根抵当権設定契約においてかならず定められなければならない事項であり、かつ、登記を必要とする(不動産登記法88条2項1号)。
 そして第三は、根抵当権の確定である。根抵当権は、債務が弁済されないときに債権者が優先弁済を受けることを内容とするが、どの債権につき優先弁済を受けることができるのかを確定しないと、債権者が優先弁済を受ける額が定まらない。そこで、根抵当権の確定という制度により、根抵当権が担保する債権はどの時点での債権であるか、その債権が確定される。この制度により根抵当権が確定されると、その根抵当権は普通の抵当権と基本的には異ならないようになる。したがって、根抵当権はその確定の前後において性質を大きく異にする。根抵当権がいつ確定されるかは重要なことであり、当事者は、確定の日を根抵当権設定契約で定めておくことができる(民法398条の6)。これを定めたときには、登記を必要とする(不動産登記法88条2項3号)。また、当事者は、確定の日を定めないままにしておくこともできる。このときには、根抵当権は、当事者の確定請求(民法398条の19)または法定の事由によって確定する(民法398条の20)。[高橋康之・野澤正充]

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