(読み)エノキ

デジタル大辞泉 「榎」の意味・読み・例文・類語

え‐の‐き【×榎/朴】

アサ科の落葉高木。高さ20メートルに達する。葉は非相称の卵円形初夏淡黄色雌花雄花をつけ、秋にだいだい色で小豆大の甘い実を結ぶ。材は器具薪炭用。江戸時代には街道一里塚に植えられた。え。 花=夏 実=秋》懸巣かけす鳴いて―の花をこぼしけり/句仏

え【×榎】

エノキのこと。
「我が門の―の実もり食む百ち鳥千鳥は来れど君そ来まさぬ」〈・三八七二〉

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精選版 日本国語大辞典 「榎」の意味・読み・例文・類語

え‐の‐き【榎・朴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ニレ科の落葉高木。各地の山野に生え、道路わきなどに植えられる。高さ二〇メートル、径一メートルになる。樹皮は黒褐色を帯び、灰色の斑点がある。葉は長さ四~八センチメートルの卵形か広楕円形で左右不同。柄があり、先はとがる。春、淡黄色の小さな単性花を開く。果実は径約七ミリメートルで九月頃黄赤色に熟し、食べられる。木材はやや堅く、挽物(ひきもの)細工、薪炭の材料。若葉はゆでて食用とする。漢名、朴樹。え。えのみのき。よのき。めむくのき。

▼えのきの花《 季語・夏 》

▼えのきの実《 季語・秋 》

  1. [初出の実例]「是に、大連、衣揩の朴(エノキ)の枝間(また)に昇りて、臨み射ること雨の如し」(出典:日本書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓))
  2. を一里塚のしるしとして植えたもの。慶長九年(一六〇四)二月、江戸日本橋を起点として、諸国への里程を定め、東海道ほか諸街道に一里塚を築いた時に植えた。
    1. [初出の実例]「落武者は榎をうへぬ道をにげ」(出典:雑俳・柳多留‐二(1767))

え【榎】

  1. 〘 名詞 〙えのき(榎)
    1. [初出の実例]「榎 爾雅注云榎〈古雅反 字亦作檟〉一名〈音瑫衣〉」(出典:十巻本和名抄(934頃)一〇)

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日本歴史地名大系 「榎」の解説


えのき

[現在地名]笹神村榎

飯塚いいづか村の北に位置する。寛政年中(一七八九―一八〇一)榎船渡えのきふなと村から人々が移住して榎と称したのが起源であると伝えられる。その後、与八が鷲津わしづ(現豊栄市)から移り、野地を開発して文化年中(一八〇四―一八)新発田藩検地を受けた。

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普及版 字通 「榎」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 14画

[字音]
[字訓] えのき

[字形] 形声
声符は夏(か)。〔玉〕に「(か)、山楸なり」とあり、重文として榎を録する。山楸はやまひさぎ、また山榎ともいう。国字用法では、榎はえのきをいう。

[訓義]
1. え、えのき。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕・榎 衣乃木(えのき)〔和名抄〕榎 衣(え)〔名義抄〕榎 エノキ

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動植物名よみかた辞典 普及版 「榎」の解説

榎 (エノキ)

学名Celtis sinensis var.japonica
植物。ニレ科の落葉高木,園芸植物,薬用植物

榎 (エ)

植物。エノキの古名

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