正行寺(読み)しようぎようじ

日本歴史地名大系 「正行寺」の解説

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]中津市永添 古城

豊前道(上往来)大貞おおさだ台地へ上ってすぐ、北へ三〇〇メートルほど下った所にある。城慶山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。「両豊記」によれば、天正七年(一五七九)下毛郡長岩ながいわ(現耶馬渓町)城主野中兵庫頭鎮兼は島津義久方に属し「末弘の城に押寄、取囲で攻ければ、城主末弘対馬守正行剃髪染衣の姿となりて、名を妙玄と改、嫡子四郎は妙秀と改、降参をして城を明渡す」とあり、旧城跡一宇を創建したという。ただし小倉藩元和人畜改帳には永添ながそい村に牢人一軒がみえるが、寺はみえない。中津藩御用所日記の延享二年(一七四五)九月条に、末弘立慶が「身分相立不申子細有之」という書付を残し、家屋敷を売渡して逐電したことがみえる。

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]厚岸郡厚岸町梅香町

真宗大谷派、本尊は阿弥陀如来。明治一二年(一八七九)湾月わんげつ町二〇番地の民家を間借りし、「壱貫代」の本尊を安置して湾月町説教所が開かれたことに始まる。厚岸郡内では国泰こくたい寺に次いで早く創建された寺院。同一三年二月、当時奔渡ぽんと村内であった現在地に移転して仮説教所が開設され、同一五年一〇月寺号公称の許可を得た。開基住職の朝日恵明は新潟の人で、明治九年に北海道へ渡り札幌別院(現札幌市中央区)に勤務。

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]松前郡松前町字豊岡

近世の松前城下に所在。文化(一八〇四―一八)頃の松前分間絵図によると武家屋敷地に隣接しており、南西方に法華ほつけ寺がある。浄土宗、護念山と号し、本尊阿弥陀如来。創建は永禄一〇年(一五六七)あるいは天正一二年(一五八四)とも伝える(宝暦一一年「御巡見使応答申合書」、「福山秘府」)。開山の岌西は浄土宗鎮西派の名越流に属し、当寺の建立には京都の淡路屋丹下らの商資本が投入された。本尊は仏師春日作で、丹下の伯父ゆかりの阿弥陀如来と伝える(新羅之記録)。当寺の建立は中央教団による宗教殖民の動向が反映したと考えられる。

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]大和高田市大字有井

有井ありい集落の西に位置する。有井山と号し、真宗大谷派。本尊は阿弥陀如来。寺伝によると、開基の円浄は麻呂子親王二八世の孫有井為綱で、文明八年(一四七六)本願寺蓮如の門弟となり円浄と称し、延徳三年(一四九一)古城地に正行寺を造立したという。明応二年(一四九三)九月一九日に円浄が本願寺実如から受けた蓮如絵像の裏書には「和州葛下郡平田庄有井」とあり、また当寺には同時期の阿弥陀如来絵像が所蔵されており、この頃道場としての形式が整えられたものと思われる。先の蓮如絵像および文禄二年(一五九三)五月一三日に本願寺教如から受けた親鸞絵像の裏書には、ともに「興正寺門徒」とあり、開基の頃から文禄期までは興正こうしよう(現京都市下京区)の下寺となっていた。

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]勝央町勝間田

真福しんぷく寺の東にある。浄土真宗本願寺派、専修山と号し、本尊阿弥陀如来。「東作誌」によると宝永七年(一七一〇)妙願みようがん(現津山市)の僧が勝間田かつまだ住人の木村氏宅に来て庵室建立を相談、弟子円随房が京都西本願寺で修行し、享保九年(一七二四)当寺を新たに建立したという。しかし木村氏などから寄進された正徳三年(一七一三)銘の鐘があり(同書)、美作国寺院(弓斎叢書)では妙願寺末から西本願寺末になったのが元禄一一年(一六九八)

正行寺
しようぎようじ

[現在地名]今別町今別

集落西のちよう川を渡った左手にある。高徳山と号し、真宗大谷派。本尊阿弥陀如来。もと弘前円明えんめい寺末。開創は天和三年(一六八三)円明寺頼英の次男尋道の孫浄閑が東本願寺一四世琢如の直弟子となり、帰郷後今別に建てたのが始まり。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「正行寺」の解説

正行寺

北海道厚岸郡厚岸町にある寺院。浄土真宗大谷派。本堂は1799年に新潟県糸魚川市で建立されたものを移築したもの。国指定重要文化財。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

事典・日本の観光資源 「正行寺」の解説

正行寺

(長野県松本市)
信州の古寺百選」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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