此れ切り(読み)コレキリ

デジタル大辞泉 「此れ切り」の意味・読み・例文・類語

これ‐きり【×此れ切り/是切り】

《「これぎり」とも。副詞的にも用いる》
指し示す物事が、これまでと限った範囲最後であること。これっきり。「二人の仲も―だ」「もう―会うこともないだろう」
指し示す数量程度などが、定めたうち限度であること。これだけ。これっきり。「僕が貸してあげられるのは―だよ」「今月の小遣いは―だよ」
[類語]さしもあれほどあんななにほどかばかりこれほどそれほどさほどさのみさまでどれほどいかほどそれくらいこのくらいこれくらいこればかりこれっぽっちこれっきりこれだけこれしきそれしき

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精選版 日本国語大辞典 「此れ切り」の意味・読み・例文・類語

これ‐きり【此切・是切】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「これぎり」とも。代名詞「これ」に助詞「きり」が付いてできたもの。副詞的にも用いる )
  2. 物事を、これまでと終極的に限定し、あとを捨てる意を示す。これで終わり。これが最後。この場かぎり。これかぎり。これっきり。
    1. [初出の実例]「是切(ギリ)に女郎すて行を取留む仕掛有」(出典浮世草子・好色一代女(1686)一)
    2. 「あたしもう、これきりお目にかかりませんわ…」(出典:多情仏心(1922‐23)〈里見弴〉妾宅)
  3. これまでと限った範囲内の質、量、程度などを示す。この程度。これだけ。これっきり。あとに打消を伴うときは、「これだけしか」の意となる。
    1. [初出の実例]「今川殿の長詮議御大儀々々々さらりっと是ぎりにして済まさっしゃれ」(出典:浄瑠璃・傾城無間鐘(1723)一)
    2. 「君これは返さなくても好いが、僕はこれ切(キ)り出さないよ」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉一〇)

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