此れ程(読み)コレホド

デジタル大辞泉 「此れ程」の意味・読み・例文・類語

これ‐ほど【×此れ程/是程】

目の前に示されている程度物事の程度を強調する気持ちを表すときにも用いる。副詞的にも用いる。この程度。これくらいまで。「―のことで驚くことはない」「―の人物はいない」「―つらいとは思わなかった」
物事を目の前の事に限定して言う。これだけ。
「―は出来ましたれど」〈伎・幼稚子敵討
(「これほども」に打消しの語を伴って)ほんの少しも。こればかり。
「―も油断せず」〈浄・曽根崎
[類語]さしもあれほどあんななにほどかばかりそれほどさほどさのみさまでどれほどいかほどそれくらいこのくらいこれくらいこればかりこれっぽっちこれきりこれっきりこれだけこれしきそれしき満更まんざら必ずしもあながち一概にさしてさしたるそんなそのようそうしたそういうさようさもさもさもそうしかあまり大してなかなか取り立てて別段

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精選版 日本国語大辞典 「此れ程」の意味・読み・例文・類語

これ‐ほど【此程・是程】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事の程度、度合がそこに示されたものとほぼ同じであることを指示する。強調の気持を表わすことが多い。副詞的にも用いる。これくらい。この程度。かくばかり。
    1. [初出の実例]「玄上殊鳴、此程鳴事未聞」(出典玉葉和歌集‐承安元年(1171)正月三日)
    2. 「此世はこれほど住みよいに、何故人は然う住み憂く思ふか」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  3. 際限、限定を示す。「これだけ」に近い。
    1. [初出の実例]「お受なされたる二色の重宝、〈略〉是程は出来ましたれど、是程は暫く待て下されいなんどと言われませうか」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)口明)
  4. ( 「これほども…打消語」の形で ) ほんのすこしも。まったく。これっぱかり。
    1. [初出の実例]「ほうこうに是程もゆだんせず」(出典:浄瑠璃・曾根崎心中(1703))

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