此れ許り(読み)コレバカリ

デジタル大辞泉 「此れ許り」の意味・読み・例文・類語

これ‐ばかり【×此れ許り/許り】

目の前に示されている分量程度。多く、その少ないことを強調していうのに用いる。こんな程度。これっぱかり。「―の金では足りない」
このことだけ。このものだけ。これだけ。「―はお許しください」「―は差し上げるわけにはいかない」
(「こればかりも」に打消しの語を伴い、副詞的に用いて)ほんの少しも。全く。これっぱかり。「―も疑わない」
[類語]さしもあれほどあんななにほどかばかりこれほどそれほどさほどさのみさまでどれほどいかほどそれくらいこのくらいこれくらいこれっぽっちこれきりこれっきりこれだけこれしきそれしき満更まんざら必ずしもあながち一概にさしてさしたるそんなそのようそうしたそういうさようさもさもさもそうしかあまり大してなかなか取り立てて別段

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精選版 日本国語大辞典 「此れ許り」の意味・読み・例文・類語

これ‐ばかり【此許・是許】

  1. 〘 名詞 〙 ( 副詞的にも用いる )
  2. 物事の質、量、程度が示されているほどであること。その少なさを強調していうことが多い。これくらい。これほど。これっぱかし。これっぱかり。これっぽっち。
    1. [初出の実例]「御くだ物などちかくまかなひなし『こればかりをだに』といと心くるしげに思てきこえ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. 物事を限定することを表わすのに用いる。また、それで終わりであることを示すのにもいう。これきり。これだけ。こればっかり。
    1. [初出の実例]「心ふかくをかしう、かたちなどもことなむなかりしを、いかでこればかりをありどころをきかましかばたづねてしがな」(出典:宇津保物語(970‐999頃)楼上上)
  4. ( 「こればかりも…打消語」の形で ) ほんの少しも。まったく。普通、強調した語形「これっぱかり」「これんばかり」などを用いる。

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