武家役(読み)ブケヤク

デジタル大辞泉 「武家役」の意味・読み・例文・類語

ぶけ‐やく【武家役】

中世将軍御家人奉公衆に課した課役番役軍役ほか段銭たんせん棟別銭など出銭を課することもあった。

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精選版 日本国語大辞典 「武家役」の意味・読み・例文・類語

ぶけ‐やく【武家役】

  1. 〘 名詞 〙 鎌倉・室町幕府が課した賦課総称。関東御公事・段銭・棟別銭・土倉酒屋役等がある。武役
    1. [初出の実例]「日本国の地頭御家人の所領に、五十分一の武家役(ヤク)を、毎年懸けられけるを」(出典太平記(14C後)三九)

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改訂新版 世界大百科事典 「武家役」の意味・わかりやすい解説

武家役 (ぶけやく)

鎌倉・室町時代に幕府が課した課役の総称。大きくわけて地頭・御家人等を対象とする課役と,諸国・荘園一般に対する課役とがある。前者は幕府の構成員である地頭・御家人・守護人等の奉仕としての側面をもつもので,戦時の軍役や平時大番役から,さらに所領に対して課される関東公事(鎌倉時代),地頭御家人役,守護出銭(室町時代)があり,幕府御所の造営役といった臨時の課役もあった。後者は主として幕府が責任をもって造営や修理にあたる神社や寺院の修造費用のためのもので,段銭棟別銭(むなべちせん)等の形で賦課される。一国平均の公役としての性格をもつものである。なお室町幕府は財源不足により酒屋や土倉からの酒屋・土倉役,禅僧からの出銭,諸座からの課役をとり始めるが,これらは前者の系譜をひくものと言えよう。
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