武尊山(読み)ホタカヤマ

デジタル大辞泉 「武尊山」の意味・読み・例文・類語

ほたか‐やま【武尊山】

群馬県北部にある円錐状火山標高2158メートル。南東麓にスキー場がある。

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日本歴史地名大系 「武尊山」の解説

武尊山
ほたかさん

ほたかやまともいう。利根郡の中央部に位置し、山塊は水上みなかみ町・片品かたしな村・川場かわば村・沼田市の境界をなす。截頭円錐形の成層火山で、標高二一五八・三メートルの武尊山(沖武尊)の南側は馬蹄形凹地形をなし、それを囲んでけんヶ峰(西武尊)・前武尊・獅子ししはな山などの峰がある。基盤は中生層、花崗岩・蛇紋岩などの古期岩類とグリーンタフ第三紀層。植生は日本海型で、北面はオオバザサチシマザサを低木層にもつブナの原生林、南面は多くの部分が二次林。山頂部はチシマザサ群落が広く分布、稜線部には小湿原や小池塘があって、エゾホソイ、ヒメカワズスゲ、キンコウカなどが分布する。亜高山帯はダケカンバ林。山腹部はいくつもの放射谷によって刻まれ、その一つ川場谷の旧噴火口跡とみられる所を源流とする薄根うすね川が流れる。

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改訂新版 世界大百科事典 「武尊山」の意味・わかりやすい解説

武尊山 (ほたかやま)

群馬県北部にある山。標高2158m。第四紀噴出の火山で,截頭円錐形を呈し,全体に開析が進んで山頂付近まで深い放射谷に刻まれるが,北麓の武尊田代や西麓の玉原(たんばら)などには溶岩流の広い緩斜面が発達する。基盤岩は中生層,花コウ岩,第三系グリーンタフで,標高950~1500mに分布する。火山体はおもに複輝石安山岩質溶岩および大量の火砕岩などで構成され,山頂部には板状節理の発達した溶岩が分布する。山頂部の前武尊,武尊山,剣ヶ峰山を連ねて南に開いた馬蹄形の山稜は,浸食カルデラ壁である。武尊山一帯は,1973年運輸省により大規模観光レクリエーション地区に指定され,北西麓の藤原,宝台樹,東麓の武尊,武尊牧場,武尊オリンピア(2008年現在,休業中)の5スキー場をはじめ,武尊牧場キャンプ場,花咲(はなさく)民宿村などの施設が整備されている。日本武尊をまつる武尊神社,武尊自然休養林,武尊牧場レンゲツツジ群落がある。川場村の武尊温泉(単純泉,30~35℃)が登山口。
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百科事典マイペディア 「武尊山」の意味・わかりやすい解説

武尊山【ほたかやま】

群馬県北部,沼田市北東端にある成層火山。標高2158m。山頂部にある馬蹄(ばてい)形の火口跡を囲んで,前武尊,武尊山,剣ヶ峰の峰々がある。信仰の山,修験(しゅげん)の山として知られる。南側の花咲,川場,北側の藤原等から登山路がある。麓にスキー場がある。山腹では雑穀類,コンニャクなどの畑作が行われる。
→関連項目迦葉山日本百名山沼田[市]水上[町]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「武尊山」の意味・わかりやすい解説

武尊山
ほたかやま

群馬県北部、利根(とね)郡川場村(かわばむら)とみなかみ町の境にあるコニーデ型の火山で標高2158メートル。「ほたかさん」ともいう。山頂部の南側に馬蹄(ばてい)形の爆裂火口を有し、それを囲んで前(まえ)武尊、剣ヶ峰(けんがみね)、獅子ヶ鼻(ししがはな)山などの峰に分かれる。斜面は深い放射谷で刻まれ、末端部で水田や雑穀、コンニャクイモ、リンゴなどが栽培され、武尊牧場がある。近年急激に東麓(とうろく)が観光地化し、前武尊(オグナほたか)、武尊牧場、尾瀬岩鞍(いわくら)などのスキー場が続々とつくられ、農家のなかには民宿にかわったところもある。北西に水上高原、南麓に川場温泉がある。登山口は花咲(はなさき)口、川場口、藤原口の三つがあるが、登山者は多くない。

[村木定雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「武尊山」の意味・わかりやすい解説

武尊山
ほたかやま

群馬県北部,みなかみ町川場村の境にある円錐形火山。標高 2158m。那須火山帯に属する。山頂部に馬蹄形の火口が南に開き,剣ヶ峰山 (2005m) ,前武尊山 (2040m) などの峰が火口を囲む。山名は日本武尊が東征のおり,この山の悪鬼を退治したという伝説に由来する。山腹部は浸食が進み,放射状の谷が発達している。山麓は裾野が広く畑地に利用され,コンニャク,ホウキモロコシ,リンゴを栽培。東麓には数ヵ所にスキー場があり,南麓に川場温泉がある。

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事典・日本の観光資源 「武尊山」の解説

武尊山

(群馬県利根郡片品村・川場村・みなかみ町)
ぐんま百名山」指定の観光名所。

武尊山

(群馬県)
日本百名山」指定の観光名所。

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