日本歴史地名大系 「歳勝土遺跡」の解説
歳勝土遺跡
さいかちどいせき
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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横浜市都筑区にあり,南関東に稲作農耕が定着した弥生時代中期末の方形周溝墓が,25基以上群集する台地上の墓地。港北ニュータウンの計画地内にあるため,1972-73年に発掘調査された。台地上の平坦部には,一辺約10mでそれぞれ独立した4本の溝で方形に囲まれた墓が同方向に並び,周辺の斜面部では一方の溝を欠いたコの字形平面の墓が並ぶ。溝の中からは墓の年代を示す宮ノ台式土器が多数出土した。溝の底を掘りくぼめ,そこへ壺棺を納めた墓もあった。さらに南東方へ続く台地上にも同様な墓地が存在するとみられるが,未調査である。当遺跡の北西には浅い谷を隔てて,この墓を営んだ人々の住んでいた環濠集落(大塚遺跡)がある。弥生時代の農村とその墓地が一体となって解明できた希有の遺跡として有名になった。両遺跡を含む付近一帯の遺跡を吾妻山遺跡群とも呼ぶことがある。
執筆者:工楽 善通
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…住居跡97基のうち90基は宮ノ台期に属するが,互いに重複し合うものがあり,集落に何回かの変遷があったことが指摘されている。また,谷ひとつを隔てた隣の台地上には宮ノ台期に属する25基以上の方形周溝墓群があり,歳勝土(さいかちど)遺跡と呼んでいる。両者は居住区と墓地の全域が発掘された最初の事例であり,その有機的関連を追究する格好の遺跡となった。…
※「歳勝土遺跡」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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