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水死 スイシ

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デジタル大辞泉の解説

すい‐し【水死】

[名](スル)水におぼれて死ぬこと。溺死(できし)。「池にはまって水死する」

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大辞林 第三版の解説

すいし【水死】

( 名 ) スル
水におぼれて死ぬこと。溺死できし。 「高波にさらわれて-する」

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

水死
すいし

水その他の液体、または液状物(溺水(できすい))の気道内吸引によって肺胞および気管支末端が閉塞(へいそく)されておこる死。一般には水におぼれて死ぬ、いわゆる溺死をさし、河川、湖沼、プール、海などで多くみられる。しかし、浴槽内の例もあるように、かならずしも全身が溺没する必要はなく、溺水を気道内に吸引すればおこりうる。したがって、泥酔者が水たまりに顔を突っ込んだり、乳幼児が洗濯機に落ちたり、新生児が便壺(べんつぼ)内へ産み落とされたりしてもおこるわけである。水死は、肺胞でのガス交換が溺水で障害されておこる窒息死であるが、溺水の浸透圧に基づく血中電解質不均衡、循環血液量増加(低張性淡水)、循環血液量減少(高張性海水)などによる急性循環不全状態も共存する。また、冷水刺激や溺水の排出作用なども加わり、一般の窒息とはやや異なる症状経過をとって、5分くらいで死に至る。しかし、実際には5分以上でも助かる場合もあり、淡水よりも海水のほうが長時間にわたって生命を保つといわれている。新しい水死体では、口、鼻孔よりきのこ状白色泡沫(ほうまつ)の漏出があり、解剖所見では、気道内に液性泡沫や異物(藻、土砂、ごみ)、肺の膨大(溺死肺)、心内血液の希釈や濃縮、胃内溺水嚥下(えんげ)、頭蓋(とうがい)底錐体(すいたい)部の骨内出血をみる。錐体内出血は、外耳道から錐体部に加わる水圧や呼吸運動の関係でおこるもので、遊泳中に突如としてみられる水死の際に、しばしば認められる。
 水中の死体は、水死であろうとなかろうと一般に冷たく、鵞(が)皮(鳥肌)、水分浸潤による手足の漂母(ひょうぼ)皮(白くふやけたしわ。漂母は洗濯女の意)、水中生物の蚕食痕(こん)やスクリュー創、水ごけの付着などをみる。一般に死体の20~30%は死後まもなく発見されるが、他は2~3日後(夏は約1~4日、冬は約2~4週間)に、腐敗ガス発生による死体比重の軽減とともに浮上する。寒冷の湖や深海では、低水温(5℃以下)による腐敗の抑制や水圧の関係で浮上しないことがある。また、浮上場所は入水(じゅすい)地点周辺が多いが、遠くまで流されて浮上することもある。浮上した死体は、さらに腐敗が急速に進行し、黒緑色巨人様化(いわゆる土左衛門(どざえもん)化)する。古い水死体の診断の決め手は、気道・肺臓より肝臓、腎臓(じんぞう)、骨髄などの諸臓器に浸入した溺水中のプランクトン(藻類その他の水中浮遊生物)の顕微鏡的検出であり、とくに珪藻(けいそう)類の検索は重要である。自殺か事故・災害死か、他殺(溺殺)かは、死体検査のみでは判断しにくいことが多いが、周囲の状況その他の検討に加えて、溺殺はまれであり、入水自殺(老人、とくに女性)が多いこと、子供では災害的なものが多いことなどを参考にすれば、ある程度判断可能となる。子供の溺水事故は死亡率が高く、蘇生(そせい)法で救命されたかにみえても、数時間後、呼吸障害をおこして死亡(遷延性溺死)することもあり、適切な救急蘇生法や医療機関での監視が必要である。
 なお、水浴死といわれる水中異常急死は、突然、あるいは大食後水中に入ったりするときにおこるもので、これは、冷水刺激による神経性ショックや急性循環障害などの入水症候群によって、溺水吸引がほとんどなくて死亡(乾性溺死)する入水急死である。[澤口彰子]

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