池田湖(読み)いけだこ

精選版 日本国語大辞典 「池田湖」の意味・読み・例文・類語

いけだ‐こ【池田湖】

鹿児島県薩摩半島の最南部、開聞(かいもん)岳のふもとにある九州最大の湖。カルデラ湖霧島屋久国立公園一部。面積一〇・九平方キロメートル。池田沼。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「池田湖」の意味・読み・例文・類語

いけだ‐こ【池田湖】

鹿児島県、薩摩半島南部にあるカルデラ湖。面積11.1平方キロメートル。最大深度233メートル。湖面標高66メートル。霧島錦江湾国立公園に属する。
[補説]東に連なる鰻池山川やまがわなどのマール群とともに、「池田・山川」として活火山に指定されている。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「池田湖」の解説

池田湖
いけだこ

指宿市の南西端、山川やまがわ町・開聞かいもん町に接する湖。九州最大の湖で、長径二・二五キロ、短径一・七五キロ、周囲一五キロ、面積約一一平方キロ。湖岸線屈曲が少なく、ほぼ円形に近いカルデラ湖。最大深度は湖心部の二三三メートル。水面標高が六六メートルで、潜窪せんかとよぶ海水面以下に当たる部分の深さは一六七メートルに及ぶ。湖の南東部には水深四二メートルを示す円頂丘が存在し、本湖形成後に生じた湖底火山丘と考えられている。自然の流入・流出河川はなく、昭和四年(一九二九)に測定された透明度は二六・八メートルと世界でも有数の値を示していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「池田湖」の意味・わかりやすい解説

池田湖 (いけだこ)

鹿児島県薩摩半島南東端近くにあるカルデラ湖。周囲15km,面積11.1km2。水面標高66m。最大深度は233mで,中央部の半分以上が深さ200mをこえる。東に寄って深さ42mの突出部があり,湖沼形成後に生じた湖底火山といわれる。池田湖は揖宿(いぶすき)カルデラの中に形成されたカルデラ湖で,北西を限るのは外側のカルデラ壁,北東から南西にかけては内側の200m余の急崖が連なり,湖面に形を映して景色がいい。もともと流出河川がなかったが,明治初年南岸を掘削して灌漑水源の利用が始まり,1961年には指宿(いぶすき)市の上水道に,最近は南薩台地の畑地灌漑用水にも使われるようになった。JR指宿枕崎線の開聞駅が近いが,鹿児島市や指宿駅からバスの便もある。特に鹿児島市と湖の北西部に66年,延長51kmの指宿スカイラインが開通し,乗用車による交通が便利になった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「池田湖」の意味・わかりやすい解説

池田湖
いけだこ

鹿児島県南部,薩摩半島の南東端にあるカルデラ湖指宿市に属する。九州最大の淡水湖で面積 10.9km2。最大水深は 233mで日本第4位。周囲 15km,湖面標高 66m。南東部に水深約 40mの頂点をもつ湖底火山丘がある。湖岸はほとんど絶壁で流入河川はなく,湖水は降雨と湧水に依存。1920年代には最大透明度 26.8mで,世界有数の透明度を示した。水温は 30℃をこえることもある。湖水は灌漑用水に利用され,1961年から指宿市の上水道用に取水スッポンナマズなどが生息。貧栄養湖であったが 1930年頃からワカサギ,コイ,フナウナギ,マスなどの放流,養殖が行なわれるようになった。体長 2m近いオオウナギで有名。霧島錦江湾国立公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「池田湖」の意味・わかりやすい解説

池田湖【いけだこ】

鹿児島県指宿(いぶすき)市の南西端にあるカルデラ湖。九州最大の湖で,面積10.91km2。水面標高は66mで,最深233m。湖の南東部に水面下42mに達する円頂丘があり,湖の形成後に生じた湖底火山丘とされる。自然の流入・流出河川はないが,近代以降人工的に引水し,潅漑用水として利用されている。また昭和に入って以降,コイ,ウナギ,ワカサギ,アユなどの放流・養殖が行われている。神竜伝説がある。
→関連項目開聞[町]霧島屋久国立公園

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「池田湖」の意味・わかりやすい解説

池田湖
いけだこ

鹿児島県薩摩半島(さつまはんとう)南東部に位置する九州最大の湖。面積10.91平方キロメートル、周囲15キロメートル、水面標高66メートル、最大深度233メートル。カルデラ湖で透明度はかつて26.8メートル(1929)と測定され世界有数の値を示していたが、近年は4~15メートルで推移。湖の南東部分には、水面下42メートルの水深を示す円頂丘が存在し、本湖形成後に生じた湖底火山丘といわれ、たいへん珍しい。流入河川はない。水温は深層でも1年中10℃前後で、湖沼分類上熱帯湖に属している。本来は貧栄養湖に分類され生産量の少ない湖であったが、1930年(昭和5)ごろから、コイ、ウナギ、ワカサギ、アユなどの放流、養殖が行われ、多くの動植物が生育するようになった。なかでもオオウナギは体長2メートルに達するものもあり有名。霧島錦江湾(きりしまきんこうわん)国立公園の一部をなし観光客も多い。指宿(いぶすき)駅からバス30分。指宿スカイラインの基点にも近い。

[塚田公彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android