デジタル大辞泉 「沈める」の意味・読み・例文・類語 しず・める〔しづめる〕【沈める】 [動マ下一][文]しづ・む[マ下二]《「静める」と同語源》1 沈むようにする。沈ませる。「敵の旗艦を―・める」「魚礁を―・める」⇔浮かべる。2 下の物にめり込ませる。「ソファーに深々とからだを―・める」3 不幸な境遇、望ましくない状況などに陥らせる。「苦界に身を―・める」4 ボクシングで、相手を打ち倒して立てなくする。「挑戦者をマットに―・める」5 ゴルフで、球を穴に入れる。6 質に入れる。「初鰹の身代はりに―・めておいた袷」〈黄・造化夢〉[類語]沈没・沈む・没する・沈下・沈降・沈殿 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「沈める」の意味・読み・例文・類語 しず・めるしづめる【沈】 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙 [ 文語形 ]しづ・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ( 「しずむ(沈)」の他動詞形 )① 水中に没するようにする。[初出の実例]「飄風忽に起て、匏を引て水に没(シツム)」(出典:日本書紀(720)仁徳一一年(北野本訓))「分段のあらき浪、玉躰をしづめたてまつる」(出典:平家物語(13C前)一一)② 身分、地位などを低いままにする。失意の状態にする。[初出の実例]「中納言なるべかりし身をしづめてし人なり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)③ 罪、地獄、また、悪の道など、好ましくない状態に落とす。また、遊廓に身を売る。[初出の実例]「インヘルノニ xizzumuru(シヅムル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))「お前、わたしを沈める時分、何と云った」(出典:歌舞伎・盟三五大切(1825)序幕)④ 質に入れる。[初出の実例]「最早そろそろ秋の風を吹かせよう〈略〉初鰹の身代りにしづめておいた袷(あはせ)の事を思ひ出すであらふ」(出典:黄表紙・金々先生造化夢(1794))⑤ 姿勢を低くする。また、ふとんや、いすなどにからだを深くうずめる。[初出の実例]「彼はぢっと身を沈めるやうにして女の顔を見詰めてゐた」(出典:蛾はどこにでもゐる(1926)〈横光利一〉)⑥ 彫り込む。また、漆器に毛彫りをしてその刻み目に金銀の箔(はく)などをはめこむ。[初出の実例]「一振には銀を以て金膝纏(きんはばき)の上に鬼切と云文字を沈(シヅ)めたり」(出典:太平記(14C後)二〇)⑦ ゴルフで、球をホールに入れる。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例