身代(読み)シンダイ

デジタル大辞泉の解説

しん‐だい【身代】

《「進退」から転じた語か》
一身に属する財産。資産。身上(しんしょう)。「身代を築く」「身代を持ち崩す」
暮らし向き。生計。身の上。
「―ぼろぼろになり、裏町のかなしきすまひ」〈ひとりね・上〉
身分。地位。
「村芝与十郎といへる舟改め、―は軽けれども」〈浮・伝来記・五〉

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世界大百科事典 第2版の解説

しんだい【身代】

〈みのしろ〉ともいう。鎌倉時代借銭や借米の質となり,年貢や公事未進の代償となった人をいう。身代として流されたり,とられたりした人間は下人(げにん)となり代価分だけ一定期間使役されたが,ときには相伝の下人と同様に一生使役されることもあった。いわば債務奴隷となるのである。その源流を尋ねると,律令制下において出挙(すいこ)の未進に際し,人身労役によって返済させたことがあげられる。また平安時代には官物年貢の未進があると,〈召籠め〉といって人身が拘束されたことがある。

みのしろ【身代】

(1)債務の担保として質物とされた人。たとえば,1253年(建長5)の鎌倉幕府の追加法は,〈土民の身代を取り流す事〉として,土民(百姓)が年貢公事を拒否するとき,これを強制するため〈身代〉をとることは定法であるが,わずかの未進でこの身代(人質)を流すことを禁じている。(2)人身売買の代価をいう。御伽草子や謡曲など室町時代の文学には人売買に関する哀話が少なくないが,これらのなかに身を売った代金として〈身代〉の語がみられる。

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大辞林 第三版の解説

しんだい【身代】

〔「進退」
から出た語で、「身代」はあて字〕
個人の所有する財産。身上しんしよう。 「 -を潰す」 「 -を築く」
暮らし向き。生計。 「われらがやうなる藪医師やぶくすしには、-のよい者は脈をとらせもいたさぬ/狂言・神鳴」

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世界大百科事典内の身代の言及

【身代】より

…鎌倉時代,借銭や借米の質となり,年貢や公事の未進の代償となった人をいう。身代として流されたり,とられたりした人間は下人(げにん)となり代価分だけ一定期間使役されたが,ときには相伝の下人と同様に一生使役されることもあった。いわば債務奴隷となるのである。…

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