戦国期~江戸期の城。静岡県浜松市中区元城(もとしろ)町にある。城は三方原(みかたはら)から天竜川の沖積平野へ移る河岸段丘の傾斜面に位置する。1570年(元亀1)徳川家康は、戦国期に今川氏の支城であった曳馬(引馬)(ひくま)城に入り、77年(天正5)それを取り込んだ形の新しい城を築き、名を浜松城とした。家康が駿府(すんぷ)に移ったあと城代に菅沼定政(すがぬまさだまさ)が入り、関東移封後は堀尾吉晴(ほりおよしはる)が12万石で入った。江戸期を通じて大名10家22代が交替しているが、幕閣への登竜門として著名。現在の天守閣は復興模擬天守である。
[小和田哲男]