日本大百科全書(ニッポニカ) 「浪岡」の意味・わかりやすい解説
浪岡
なみおか
青森県中央部、南津軽郡にあった旧町名(浪岡町(まち))。現在は青森市の南西部を占める地域。1940年(昭和15)町制施行。1954年(昭和29)女鹿沢(めがさわ)、野沢、大杉、五郷(ごごう)の4村と合併。2005年(平成17)青森市に合併。JR奥羽本線、国道7号、101号、東北自動車道が通じ浪岡インターチェンジがある。南北朝時代に南朝方の北畠顕家(きたばたけあきいえ)が陸奥守(むつのかみ)としてこの地に国府を置いたという。その後、顕家の長子顕成が浪岡城にこもり、東北の南朝勢力の拠点となったが、1578年(天正6)津軽(大浦)為信(ためのぶ)に攻略されて滅亡。城跡は石垣と土塁の一部を残し、国の史跡に指定されている。旧町域は津軽平野の東端部にあり、大部分が平地で、水田とリンゴ園が広がる。青森中心市街のほか、弘前(ひろさき)市への通勤・通学者も多い。東部に青森空港がある。北西部の梵珠山(ぼんじゅさん)は県民の森に指定されている。
[横山 弘]
『『浪岡町史資料編』全17巻(1974~1988・浪岡町)』