液化天然ガス(読み)えきかてんねんガス(英語表記)liquefied natural gas; LNG

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

液化天然ガス
えきかてんねんガス
liquefied natural gas; LNG

メタンを主成分とする天然ガスを,-162℃まで冷却して液化したもの。体積気体のときの約 580分の1となり,断熱耐圧容器に充填して貯蔵および輸送をすることができる。事前に除塵,脱硫,脱炭酸,脱湿などの処理が行われているので,燃料としては最高の品質であるが,冷却,貯蔵,輸送,再ガス化などにおいて安全性確保のための技術を必要とする。天然ガスは成分にメタンエタンを多量に含み,発熱カロリーも高く硫黄分の含有が少いため環境への影響が比較的小さいことなどから日本では環境保護や,不安定なエネルギー構造への対応策の一つとして 1969年から輸入が開始され,火力発電燃料や都市ガスなどの多量のエネルギー供給源として利用されているほか,工業用燃料,化学原料としても利用されている。日本では新潟,秋田,千葉などで産出する。

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知恵蔵の解説

液化天然ガス

液化石油ガス」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

液化天然ガス【えきかてんねんガス】

メタンを主成分とする天然ガスを−161℃に冷却・液化したもの。LNG(liquefied natural gasの略)とも。天然ガスは,消費地から遠い土地に産するため利用が遅れていたが,液化して冷凍タンカーで輸送する方式が考えられた。日本は石油に大きく依存していたエネルギー供給のアンバランスをただすため1969年から輸入開始。アラスカ,ブルネイ,アブダビ,インドネシアなどから輸入しており,大部分は発電用燃料,都市ガス原料に利用される。また,LNGのもつ冷熱利用として食品の冷凍・冷蔵事業も行われている。
→関連項目ガス事業電源ベストミックスフロン代替材料

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世界大百科事典 第2版の解説

えきかてんねんガス【液化天然ガス liquefied natural gas】

略称LNG。メタンを主成分とする天然ガスを加圧,冷却して液化したもの。天然ガスの産地の多くは都市や工業地帯などの天然ガスの大消費地からは遠い。また石油とともに産出される油溶性ガスも消費地から遠いために,むだに燃されていた。ところで,メタンは-161℃に冷却すれば液体となり,その体積は常温・常圧の気体に比べて約1/600に減少する。これを専用の冷凍タンカー(LNGタンカー)で海上輸送すれば,遠い消費地までも経済的に配給することができる。

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大辞林 第三版の解説

えきかてんねんガス【液化天然ガス】

メタンを主成分とする天然ガスを冷却、加圧して液化したもの。都市ガス用・発電用燃料、化学工業原料に用いる。 LNG 。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

液化天然ガス
えきかてんねんがす
liquefied natural gas

天然ガスを精製後、冷却液化したもので、LNGとよばれる。成分はほとんどがメタンなのでLMG(liquefied methane gas)とよぶ場合もある。天然ガスは石油と並んで重要な燃料資源、化学原料である。原油を生産する際に同時に出てくる油田ガスもメタンが主成分であり、従来は用途がないので油田で燃やして捨てられていたが、現在は貴重な燃料資源として現地での利用や回収が行われている。メタンガスは燃焼しても無公害であり、かつ取り扱いやすい燃料である。天然ガスの産地から消費地まで陸続きの場合はガスのままパイプラインで送ることができるが、消費地が海を隔てて遠い場合は利用できなかった。しかし、これを液化すれば容積が約600分の1になり、タンカーにより海上輸送が可能となる。天然ガスは産地で零下162℃に冷却液化後、LNGタンカーで輸送し、消費地で気化して使用する。液体メタンの比重は0.424で石油のおおよそ倍の容積となること、液化に際しても多量のエネルギーを必要とすることのほか、輸送用タンカーやタンクは、低温度に耐える金属材料でつくられた特殊構造のものを使用することなどに留意する必要がある。液化天然ガスを気化するときの冷熱エネルギーは電力として回収するほか、食品の冷凍などにも利用される。日本には、オーストラリア、アラスカ、ブルネイ(ボルネオ島北岸)をはじめ東南アジア諸国から、また中東諸国の油田ガスも液化天然ガスとして輸入されている。都市ガスは石炭ガスからしだいに天然ガスに転換されてきており、さらに電力、工業用燃料として大量に使用されている。[真田雄三]

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世界大百科事典内の液化天然ガスの言及

【ガス事業】より

…他方,都市ガスの原料は石油危機後,急速に多様化している。すなわち昭和40年代の後半以降,従来の石炭系ガスから石油系ガスへのシフトが進んだが,石油危機後は石油系ガスも急減し,これに代わってLNG(液化天然ガス)とLPG(液化石油ガス)が急増している。原料構成は,石油危機当時の1973年度には石炭系23%,石油系42%,LNG24%,LPG10%であったが,これが80年度には石炭系10%,石油系17%,LNG54%,LPG19%へと大きく変化した。…

※「液化天然ガス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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