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滝口入道 たきぐちにゅうどう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

滝口入道
たきぐちにゅうどう

平安時代末の武士平重盛の臣。本名,斎藤時頼。滝口の武士として宮中出仕建礼門院の女官横笛恋仲になり,父にいさめられて出家嵯峨往生院高野山で修行した。『平家物語』『源平盛衰記』に描かれ,御伽草子横笛草紙』につくられた。明治期には高山樗牛の小説『滝口入道』 (1894) がある。

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デジタル大辞泉の解説

たきぐち‐にゅうどう〔‐ニフダウ〕【滝口入道】

平安末期の僧。本名、斎藤時頼(さいとうときより)。平重盛に仕え、滝口の武士のとき、建礼門院雑仕女(ぞうしめ)の横笛と恋愛、父の茂頼にいさめられて19歳で出家。嵯峨(さが)往生院で修行し、のち高野山清浄心院に入った。
高山樗牛(たかやまちょぎゅう)の歴史小説。明治27年(1894)発表。平家の滅亡を背景に、斎藤時頼と横笛との悲恋を描く。

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大辞林 第三版の解説

たきぐちにゅうどう【滝口入道】

○ 平安末期の僧。本名、斎藤時頼。はじめ滝口の武士で平重盛の臣。建礼門院の雑仕横笛に恋慕、父に反対されて出家。のち高野山で行いすまし、平維盛入水の導師となった(平家物語)。
小説。高山樗牛ちよぎゆう作。1894年(明治27)発表。平家物語のの話を潤色。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

滝口入道
たきぐちにゅうどう

高山樗牛(ちょぎゅう)の歴史小説。1894年(明治27)4月から5月まで『読売新聞』連載。95年9月春陽堂刊。六波羅(ろくはら)一の豪の者斎藤時頼(ときより)は、清盛(きよもり)以下平家一門の花見の饗宴(きょうえん)で「春鶯囀(しゅんのうでん)」を舞う横笛を見そめた。だがその恋も家門の恥と一蹴(いっしゅう)された時頼は、維盛(これもり)の後見を願う重盛(しげもり)の頼みも振り切って、仏門に入った。真情を知った横笛は、嵯峨野(さがの)に時頼を訪ねたがつれなくされ、消息を断った。巡礼中、恋塚の主を横笛と知って回向(えこう)を済ませた時頼は、平家一門が西海に果てるのにあわせ、横笛の後を追うように自害した。『平家物語』に材を得、擬古文によったこの悲恋物語は、『読売新聞』懸賞歴史小説首席(二等)入選作で、大学生某の匿名で発表され、話題になった。[小野寺凡]
『『滝口入道』(岩波文庫・旺文社文庫・新潮文庫)』

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世界大百科事典内の滝口入道の言及

【斎藤氏】より

…その子宗貞は維盛の子の六代を守って嵯峨にかくれたが,のち出家した。また平氏では平重盛に仕えた滝口入道として著名な斎藤時頼がいる。(2)鎌倉・室町両幕府の奉行人を務めた斎藤氏。…

【滝口・横笛】より

…《平家物語》巻十〈横笛〉に語られる悲恋物語の主人公。屋島を脱出した平維盛が,高野山の滝口入道を訪ねて出家し,また彼を善知識として那智沖で入水するが,滝口入道が登場する初めに,その発心由来譚として語られるのが〈横笛〉の章段である。平重盛(維盛の父)に仕えた斎藤滝口時頼は建礼門院の雑仕(ぞうし)横笛を愛したが,横笛の身分が低いゆえに父茂頼のいさめにあい,19歳で出家して嵯峨の往生院に入った。…

【横笛】より

…フシ物。平維盛(これもり)は,都の妻子が気がかりでひそかに屋島の戦線を離れ,高野山に滝口入道(滝口・横笛)を訪ねた。この僧はもと館に仕えた武士で,若いころ横笛という女と恋をした。…

※「滝口入道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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