濫吹(読み)ランスイ

デジタル大辞泉 「濫吹」の意味・読み・例文・類語

らん‐すい【濫吹】

せい宣王という笛を聞くのが好きで楽人を大ぜい集めていたが、竽を吹けない男が紛れ込み、吹いているようなまねをして俸給をもらっていたという、「韓非子」内儲説上の故事から》無能な者が才能があるかのように装うこと。実力がなくて、その位にいること。濫竽らんう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「濫吹」の読み・字形・画数・意味

【濫吹】らんすい

多数にまぎれて吹く。技量をごまかす。唐・元林白学士太夫人を祭る文〕愚なるも亦た喧に乘じて濫吹し、(あやま)りて(けいえい)(古の楽官(せんぎよく)の楽を五、帝(ていこく)の楽を六英という)に列せらる。

字通「濫」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

故事成語を知る辞典 「濫吹」の解説

濫吹

能力がないのに、あるように見せかけることのたとえ。

[由来] 「韓非子ないちょぜい・上」に見えるエピソードから。紀元前四世紀、戦国時代の中国でのこと。せいという国の王は、笛の大合奏を聴くのが好きでした。そこで、王のもとには、笛吹きが上手だと売り込んできた人物が何百人も、召し抱えられていました。やがて、この王が亡くなり、次の王の時代になります。今度の王は、笛の独奏がお好み。すると、かつての自称、笛吹き上手の中には、逃げ出してしまった者もいたそうです。なお、「濫」は、「みだりに」と訓読みする漢字で、「自分で勝手に」という意味を表します。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android