炭酸バリウム(読み)たんさんバリウム(英語表記)barium carbonate

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

炭酸バリウム
たんさんバリウム
barium carbonate

化学式 BaCO3 。天然には毒重石として産出する。無色結晶。比重 4.43。約 1300℃で分解,二酸化炭素を放出し,酸化バリウムとなる。水に難溶,希塩酸希硝酸酢酸可溶。有毒。殺鼠剤ペイントエナメル光学ガラスなどの成分として用いられ,また紙,バリウム塩,電極の製造などに使用される。

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世界大百科事典 第2版の解説

たんさんバリウム【炭酸バリウム barium carbonate】

化学式BaCO3。天然には毒重石として産出する。工業的には,重晶石BaSO4を炭素とともに約800℃に熱して硫化バリウムBaSとし,その抽出液を熱しながら二酸化炭素を通じて沈殿させる。 BaSO4+2C―→BaS+2CO2 BaS+CO2+H2O―→BaCO3+H2S3種の結晶形のものが知られているが,ふつうのものは無色,斜方晶系の結晶で,Ba2+,CO32-の両イオンが硝酸カリウム中のK,NO3の両イオンとまったく同様に配列している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

炭酸バリウム
たんさんばりうむ
barium carbonate

炭酸のバリウム塩。天然には毒重石(どくじゅうせき)として産する。水酸化バリウムの水溶液に二酸化炭素を通じるか、バリウム塩の水溶液に炭酸アルカリを加えると沈殿してくる。工業的には、重晶石BaSO4を600~800℃で炭素で還元して硫化バリウムとし、その熱水溶液に二酸化炭素を通じて製造する。普通は無色の斜方晶系の結晶であるが、ほかに非晶質と六方晶系結晶の二変態がある。水にはほとんど溶けない。酸によって分解して二酸化炭素を発生する。二酸化炭素を含む水には炭酸水素バリウムとなって溶ける。炭酸カルシウムに比べ熱分解しにくい。バリウム塩やクリスタルガラス、光学ガラスの原料となるほか、陶磁器やほうろうのうわぐすり、金属熱処理の浸炭剤、殺虫剤や殺鼠(さっそ)剤に用いられる。有毒。[鳥居泰男]

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