(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「焦」の意味・読み・例文・類語

しょう【焦】[漢字項目]

常用漢字] [音]ショウ(セウ)(呉)(漢) [訓]こげる こがす こがれる あせる
こげる。こがす。「焦点焦土焦熱焦眉しょうび
いらだつ。あせる。「焦心焦躁しょうそう焦慮

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「焦」の意味・読み・例文・類語

こげ【焦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こげる(焦)」の連用形名詞化 )
  2. 物が焼けてこげること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「焦石に大海の水をそそけどもこげはやまぬぞ」(出典:玉塵抄(1563)四二)
  3. 陶器類で表面の釉(うわぐすり)が黒く焼けたり、焼けただれて熔岩状になったりした部分をいう。抹茶茶碗、水指(みずさし)、花入れなどの、鑑賞上の見所とする。
  4. こげめし(焦飯)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕

こがし【焦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こがす(焦)」の連用形の名詞化 )
  2. こがすこと。また、こがしたもの。
  3. こうせん(香煎)
    1. [初出の実例]「あはづの原の茶こそにがけれ かねひらやこかしをのみてかへるらん」(出典:俳諧・犬筑波集(1532頃)雑)
  4. むぎこがし(麦焦)物類称呼(1775)〕

こがれ【焦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こがれる(焦)」の連用形の名詞化 )
  2. こがれること。恋い慕うこと。
    1. [初出の実例]「身の憂きを知ればはしたになりぬべし思へば胸の焦のみする」(出典:類従本伊勢集(11C後))
  3. こがれいい(焦飯)」の略。〔日葡辞書(1603‐04)〕

じれ【焦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「じれる(焦)」の連用形の名詞化 ) じれること。じれったく思うこと。もどかしく思うこと。また、その気持。いらだち。
    1. [初出の実例]「ぐっとさきにぢれを付けておいて知らねへふりさ」(出典:洒落本・廓通遊子(1798)発端)

あせり【焦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あせる(焦)」の連用形の名詞化 ) あせること。気がいらだつこと。
    1. [初出の実例]「酔ひの為しっかり握ってゐることの出来ないあせりで」(出典:故旧忘れ得べき(1935‐36)〈高見順〉八)

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普及版 字通 「焦」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 12画

(異体字)
28画

[字音] ショウ(セウ)
[字訓] こげる・あぶる・あせる

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
隹(とり)+火。〔説文〕十上(しゆう)に従う字に作り、「火の傷つくるなり」とし、重文として焦を録する。のちすべて焦(しようしやく)を加えることをいう。

[訓義]
1. こげる、こがす。
2. あぶる、かわかす。
3. 憔と通じ、やつれる。
4. 国語で、あせる。

[古辞書の訓]
名義抄〕焦 コガス 〔字鏡集〕焦 コガル・ヤク・カハク・コガレクサシ・フスフ・イル・カシケタリ・コガス

[声系]
〔説文〕に焦声として(蕉)・・樵・など十三字を収める。は擬声的な語であろう。

[語系]
焦・tziは同声。は焦の繁文とみてよい字。tzikは声近く、焦・(爵)の声が通じて、をまた嚼に作る。これらは擬声語であろう。心気すぐれず、顔色の衰えることを憔といい、憔という。火に焦げて、生色を失ったさまをいう語である。

[熟語]
焦煙・焦火・焦害・焦核焦渇焦旱・焦急焦僥・焦苦・焦乾・焦原焦枯焦涸焦熬・焦魂・焦沙・焦思・焦・焦暑・焦情・焦心・焦神・焦唇焦瘁・焦切・焦焦然焦燥焦躁・焦・焦・焦土・焦怒・焦桐・焦熱・焦肺・焦迫・焦飯・焦煩・焦尾焦眉・焦筆・焦沸・焦墨・焦味焦螟焦冥・焦滅・焦油焦憂・焦乱焦爛・焦慮焦燎・焦労
[下接語]
亀焦・枯焦・心焦・神焦・唇焦・舌焦・焦・焚焦・憂焦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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