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焼夷弾 しょういだんincendiary bomb

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

焼夷弾
しょういだん
incendiary bomb

人馬を焼殺し,市街,森林,兵器などを焼き払うために焼夷剤を弾体に詰めた弾。火炎瓶(→モロトフ爆弾)も含まれる。ローマ人は,壺の中にピッチ,硫黄などを混ぜて入れ,敵船や砦に向かって投げた。最も有名な初期の焼弾は,「ギリシアの炎」と呼ばれたもので,678年にビザンチンの技師カリニコスによって発明されたといわれる。壺に入れて投げるか,またはサイホンを使って敵に浴びせかけた。焼夷剤が大きく進歩したのは,20世紀初めにガソリンにゴム,合成樹脂,石鹸などを添加して濃化,あるいはゼリー化することが発見されてからである。焼夷剤の種類によって,テルミット系,黄リン系,油脂系に大別される。ナパーム弾は,油脂焼夷弾の代表的なものである。日本では昔から棒火矢があり,旧陸軍が初めて使用したのは,1930年の霧社事件の際,砲撃に用いたテルミット系の焼夷弾である。国際連合会議で採択された,特定通常兵器使用禁止制限条約 Convention on Certain Conventional Weapons; CCWの第3議定書(1983発効)によって,文民および民用物に対する使用が禁止された。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

焼夷弾

ゼリー状の油脂を充填(じゅうてん)した金属製の筒で、爆撃機が上空から投下し、着地と同時に油脂が飛び散って炎上する。市街地を焼き払うために開発され、木造家屋の密集地では一気に燃え広がった。県内の空襲では、火薬の爆発で人を殺傷したり施設を破壊したりする一般的な爆弾も使われた。だが投下弾数は焼夷弾が圧倒的に多く、多数の犠牲者を生んだ。

(2015-04-29 朝日新聞 朝刊 横浜・1地方)

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百科事典マイペディアの解説

焼夷弾【しょういだん】

家屋物資の焼失破壊や火炎による人員殺傷の目的で使用される砲弾・爆弾の総称。第2次大戦で連合国軍がドイツや日本の攻撃に有効に使用した。焼夷剤は油性金属性および両者の混合物の3種があり,代表的なものはナパーム弾マグネシウムおよびテルミット焼夷弾など。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょういだん【焼夷弾】

燃焼性の物質を装塡し,その燃焼により目標を破壊または無力化するための爆弾もしくは弾薬をいう。爆弾の場合,焼夷爆弾と呼ぶことも多い。弾薬爆弾【大沢 郁甫】

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大辞林 第三版の解説

しょういだん【焼夷弾】

火炎や高熱によって人や建造物などを殺傷・破壊する爆弾・砲弾。テルミット・油脂などを焼夷剤とする。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

焼夷弾
しょういだん

焼夷剤を弾体内に入れた弾丸類。爆弾、ロケット弾などのほか、砲弾や手榴(しゅりゅう)弾として目標を焼き、航空機用の機関砲弾も徹甲弾と混用して、着火させる目的に使用する。焼夷剤として黄燐(おうりん)、テルミット、油脂などを使い、黄燐はまた着火剤としても使われている。テルミットはマグネシウムまたはアルミニウム粉と酸化鉄との混合剤で、燃焼すると3000℃もの高温を発する。ナパーム弾も油脂焼夷弾の一種である。[青木謙知]

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世界大百科事典内の焼夷弾の言及

【弾薬】より

…小火器弾薬は,拳銃,小銃,機関銃,散弾銃などに用いられ,通常,弾丸,発射薬,雷管付き黄銅製の薬莢(やつきよう)で一体化されている(図1)。実戦用としては,普通弾,徹甲弾,焼夷弾,曳光弾(えいこうだん),およびこれらを組み合わせた弾薬(たとえば曳光徹甲焼夷弾)があり,訓練用には,空包,擬製弾,狭窄弾(きようさくだん)などがある。このほか,口径20mm以上であるが擲弾(てきだん)を小火器弾薬に含めることがある。…

※「焼夷弾」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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