出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
奈良県高市郡明日香村越の真弓丘にある飛鳥時代後半の古墳。石英安山岩(寺山石)の二段積みの切石で墳丘を飾る八角形墳である。墓室は凝灰岩の巨石をくり抜き,中央に間仕切り壁を設け,同寸の石室を2室つくる。両室とも長さ2.1m,幅1.2m,高さ1.3mで棺台をくり出す。天井はそれぞれ四隅に稜をもったドーム状に仕上げる。入口は二重の扉石で閉塞しており,内扉は凝灰岩,外扉はひとまわり大きい石英安山岩を使い,墓室との目地は漆喰で密封している。現状は盗掘のため外扉石は大きく南に傾斜し,内扉も現地にない。2度の調査によって夾紵(きようちよ)棺の破片が多数出土した。金銅製六花形座金具,七宝製亀甲形飾金具,銀線を通したガラス玉がある。墳丘,副葬品とも優品で,これを斉明天皇と間人皇女の合葬陵とする説がある。江戸時代〈けんごうし〉と呼ばれたこともある。
執筆者:猪熊 兼勝
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奈良県高市(たかいち)郡明日香(あすか)村越(こし)の真弓丘にある飛鳥(あすか)時代後半の古墳。石英安山岩(寺山石)の二段積みの切り石で墳丘を飾る八角形墳である。墓室は凝灰岩の巨石を刳(く)り抜き、中央に間仕切り壁を設け、同寸の石室を2室つくる。両室とも長さ2.1メートル、幅1.2メートル、高さ1.3メートルで棺台を刳り出す。天井はそれぞれ四隅に稜(りょう)をもったドーム状に仕上げる。入口は二重の扉石で閉塞(へいそく)しており、内扉は凝灰岩、外扉は一回り大きい石英安山岩を使い、墓室との目地(めじ)は漆食(しっくい)で密封している。現在では盗掘のため、外扉石は大きく南に傾斜し、内扉も現地にない。二度の調査によって夾紵(きょうちょ)棺の破片が多数出土した。金銅製八花形座金具、七宝製亀甲(きっこう)形飾金具、銀線を通したガラス玉がある。墳丘、副葬品とも優品で、これを斉明(さいめい)天皇と間人(はしひと)皇女の合葬陵とする説がある。江戸時代「けんごうし」とよばれたこともある。
[猪熊兼勝]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…その後衰えていたが,明・清代に盛んになり,乾隆時代には華麗な模様の花瓶などがつくられている。中国,朝鮮を経て日本では,正倉院宝物中に〈瑠璃鈿(るりでん)背十二稜鏡〉が残されるが,奈良県明日香村の牽牛子塚(けごしづか)古墳から出土した〈亀甲形七宝飾金具〉が最古の遺品であろう。これは朝鮮で新羅時代の芬皇(ふんこう)寺から発見された遺品ときわめて似ている。…
※「牽牛子塚古墳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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