(読み)ハン

デジタル大辞泉 「犯」の意味・読み・例文・類語

はん【犯】[漢字項目]

[音]ハン(漢) ボン(呉) [訓]おかす
学習漢字]5年
ハン
おきてやルールを破る。おかす。「犯意犯行犯罪犯人違犯共犯再犯事犯初犯侵犯防犯
罪をおかした人。犯人。「主犯戦犯
〈ボン〉僧が戒律(特に邪淫戒)をおかす。「女犯にょぼん不犯

ぼん【犯/煩】[漢字項目]

〈犯〉⇒はん
〈煩〉⇒はん

はん【犯】

[接尾]助数詞。刑を受けた回数を表すのに用いる。上に来る語によって「ぱん」ともなる。「前科三

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精選版 日本国語大辞典 「犯」の意味・読み・例文・類語

はん【犯】

  1. 〘 接尾語 〙 刑を受けた回数を表わす。「前科五犯」
    1. [初出の実例]「お民媼(ばば)と謂うて三十犯(パン)もある名代引手だが」(出典恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉九)

おかしをかし【犯】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「おかす(犯)」の連用形名詞化 ) 罪を犯すこと。また、罪。罪科。
    1. [初出の実例]「われら、昔のをかしのふかさによりて、あしき身をうけたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)

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普及版 字通 「犯」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

[字音] ハン
[字訓] おかす・たがう・やぶる

[説文解字]

[字形] 会意
犬(獣)+(はん)。は人がうつぶせに伏している形。字形のままに解すれば、人が獣を犯す意となるが、はその姿勢のものを示すとみてよい。〔説文〕十上に「すなり」とし、声とする。わが国の〔大祓詞(おほはらへのことば)〕にいう「畜(けもの)犯せる罪」にあたるものかもしれない。〔玉〕に「抵觸(ていしよく)するなり」とあって、タブーにふれることをいう字であろう。すべて犯罪は、もと神の神聖を犯すこと、冒(ぼうとく)にあたる行為を意味した。〔周礼、夏官、大馭〕に、天子の出幸のとき「犯(はんばつ)してに驅(か)る」とあって、犬を轢(ひ)いて、車を修祓してから出発した。その字はまた(はん)に作る。上から轢く意であろう。犯はもと神威を侵す意であったので、敢て君長に強諫することを犯顔・犯諫という。

[訓義]
1. おかす、神聖をおかす、つみをおかす、いましめをおかす。
2. たがう、そこなう、そむく、しのぐ、こえる。
3. いつわる、やぶる、そこなう、ひきおこす。
4. つみ、つみあるひと、罪人

[古辞書の訓]
名義抄〕犯 ヲカス 〔立〕犯 ヲツ・ヲカス・フル・キツフル

[熟語]
犯囲・犯威・犯意・犯違・犯諫犯干・犯顔・犯・犯忌・犯規・犯逆・犯教・犯境・犯禁・犯・犯刑犯忤・犯罪・犯証・犯上・犯色・犯声・犯則犯逐・犯土・犯犯蹕犯冒・犯法・犯命・犯夜・犯由・犯乱・犯・犯令・犯・犯歴
[下接語]
違犯・干犯・窮犯・共犯・狂犯・驚犯・軽犯・愆犯・誤犯・再犯・主犯・重犯・従犯・初犯・触犯・侵犯・正犯・戦犯・抵犯・難犯・不犯・防犯・犯・陵犯・累犯

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