玉水(読み)タマミズ

デジタル大辞泉の解説

たま‐みず〔‐みづ〕【玉水】


清らかな水、また、滝。
雨だれなどの水滴の美称。
「軒の―の音も楽しい」〈藤村千曲川のスケッチ
「雨やまぬ軒の―数知らず」〈後撰・恋一〉
京都府綴喜(つづき)郡井手町にあった、井手の玉川。[歌枕]
「いかにせむうさのつかひは許されず恋しき人はいでの―」〈実方集〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

たまみず【玉水】

福岡の日本酒。酒名は、きれいな印象の酒を造りたいという思いから命名。主力の普通酒のほか、大吟醸酒がある。仕込み水は飯江(はえ)川の伏流水。蔵元の「玉水酒造」は明治11年(1878)創業。所在地はみやま市高田町舞鶴。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

たまみず【玉水】

中世の小説。別名《紅葉合(もみじあわせ)》。著者,成立年未詳。花園に遊ぶ姫君の姿をひと目見て恋に落ちた狐は,身を人間の女子に変えて,その姫に仕えるようになり,名を〈玉水の前〉と付けられる。玉水には,犬を嫌うなど奇妙な振舞いもみられたが,かなわぬ恋を忍びつつも,姫に親しく仕えていた。ある年,紅葉の美しさを競う紅葉合が開かれるにあたり,玉水は兄弟の狐にすばらしい紅葉をみつけてもらい,姫を勝利に導くが,その評判がかえって帝の知るところとなり,姫の入内が決まる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

たまみず【玉水】

玉のように美しく清らかな水。 「げにや-の、水上澄めるみ代ぞとて/謡曲・養老」
雨だれ。雫。 「軒のたるひの下の-/好忠集」

たまみず【玉水】

山城国井手にあった井手の玉川。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ぎょく‐すい【玉水】

〘名〙 (「玉」は美称) 清らかな水。
※本朝無題詩(1162‐64頃)三・秋月詩〈藤原明衡〉「曲沼霧収迷玉水、寒松煙滅似花林」 〔王僧孺‐朱鷺〕

たま‐みず ‥みづ【玉水】

[1] 〘名〙
① (「たま」は美称) 清らかな水、または滝。
※万代(1248‐49)秋下「月影のやどりてみがく玉水の玉津都に秋風ぞふく〈藤原道家〉」
② 特に、あまだれなどの水滴の美称。軒さき、木の葉などから落ちるしずく。
※後撰(951‐953頃)恋一・五七八「雨やまぬのきの玉水かずしらず恋しき事のまさるころ哉〈平兼盛〉」
[2]
[一] 山城国(京都府)綴喜郡井手町にあった井手の玉川歌枕
※伊勢物語(10C前)一二二「山城の井手のたま水手にむすびたのみしかひもなき世なりけり」
[二] 謡曲。四番目物。廃曲。作者未詳。都見物の東国の旅僧が春日神社へ参詣の途中、井手の玉水のあたりで、橘清友と契った水汲み女の霊に会い、昔物語を聞き、その跡を弔う。やがて清友と女が本性を現わして僧の仏事によって成仏する。
[三] 江戸時代の売薬の一つ。江戸神田松田町(東京都千代田区鍛冶町二丁目)に本舗のあった湿疹の薬。
※狂歌・江戸名所図会(1856)二「しっかきのいちかり股で来る客をまつだ町にてひさぐ玉水」

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