デジタル大辞泉 「環境難民」の意味・読み・例文・類語 かんきょう‐なんみん〔クワンキヤウ‐〕【環境難民】 大規模な環境変化によって、住んでいる地を離れざるを得ない人々。気候変動による砂漠化や海面上昇のほか、熱帯雨林の焼畑農業や過放牧、過剰な灌漑かんがい農法などによる土壌荒廃により、生活が困難になった住民を指す。その原因が気候変動による場合は特に気候難民ともいう。1980年代後半以降、世界中で増加。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
百科事典マイペディア 「環境難民」の意味・わかりやすい解説 環境難民【かんきょうなんみん】 原子力発電所の事故による放射能の広範囲な汚染,砂漠化の進行,1980年代にみられたような大規模な干ばつ,ネパールとインドのヒマラヤ水域における森林伐採のため下流域のバングラデシュで繰り返される洪水など,何らかの環境破壊によって居住地域を離れざるを得なくなった人々。2011年3月に起こった東日本大震災と東京電力福島第一原発の大事故では,大津波・地震災害による厖大な数の避難民に加え,深刻な原発事故による避難民も多数生まれ,ピーク時には合わせて約50万人に上ったとされる。環境難民は毎年,1000万人を超えると推定されている。〈気候変動に関する政府間パネル(IPCC)〉は地球温暖化による海面の上昇は温暖化防止対策を全くとらなければ21世紀末には最大で1mに達すると予測,その場合には島部や海岸近くの低地などに住む数千万人の移住が必要になると警告している。地球温暖化は最大規模の環境難民を生み出すおそれがある。→関連項目難民 出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「環境難民」の意味・わかりやすい解説 環境難民かんきょうなんみんenvironmental refugees 環境破壊により生活基盤を失い難民化した人々。1980年代に入って環境難民と呼ばれるようになった。国内避難民モニタリングセンター IDMCが 2016年に発表したデータによると,毎年少なくとも平均 2540万人が自然災害によって避難を強いられ,難民化している。環境破壊の種類もかつての自然災害から,原子力発電所事故(1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故)やダム建設(中国の三峡ダム),砂漠化,土壌流出,熱帯雨林の破壊といった人為的要因による事例も増えている。開発により追われる場合は開発難民とも呼ばれる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by