田野町(読み)たのちよう

日本歴史地名大系 「田野町」の解説

田野町
たのちよう

面積:一〇八・三〇平方キロ

宮崎市を挟んで南北に分れる宮崎郡の南側西部に位置し、北は宮崎市と東諸県ひがしもろかた高岡たかおか町、東は清武きよたけ町、南は南那珂郡北郷きたごう町・北諸県郡三股みまた町、西は同郡山之口やまのくち町に接する。標高は中心部の田野町役場付近で約一二二―一二七メートル、南西に鰐塚わにつか(一一一八・八メートル)、東部には荒平あらひら(六〇二・九メートル)がそびえる。西部から北部にかけて丘陵状の山々が連なり、それらに囲まれる形で東寄りに東西に長い田野盆地がある。法光坊ほうこうぼうはい堀口ほりぐち八重はえ七野しちのなどにはシラス層が広くみられる。主要交通路としては九州縦貫自動車道宮崎線と国道二六九号およびJR日豊本線が東西にほぼ並行して通り、南北に走る主要地方道日南―高岡線と町の中心部で交差する。日豊本線には田野駅があり、九州縦貫自動車道は田野インターチェンジで日南―高岡線と接続している。

清武川支流の片井野かたいの川・別府田野びゆうたの川・井倉いくら川の谷からの出口には扇状地が広がり、川底や川岸の崖からはさまざまな化石が発見されている。海中に生息する巻貝や二枚貝などの化石五〇種ほどが報告され、巻貝のタノツブリや二枚貝のタノスダレのように田野の名を冠した学名が付けられたものもある。


田野町
たのちよう

面積:六・六六平方キロ

安芸郡のほぼ中央、奈半利なはり川下流西岸に位置し、土佐湾に面する。東は奈半利町、西は安田やすだ町、北は北川きたがわ村。町域は郡下で最も狭く、奈半利川河口を頂点とした扇形に近いかたちで、南東部は奈半利川の氾濫原と海岸砂丘、北西部は山地、山地の端は土生岡はぶのおか北張きたばり大野おおのなどの海岸段丘となる。

平野部は本来奈半利川本流と北方山地から流れる池谷いけだに川などの水害を受けやすい地形だが、治水の努力が重ねられてしだいに耕地としての安定性をまし、現在は豊かなハウス園芸地帯となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「田野町」の意味・わかりやすい解説

田野〔町〕
たの

高知県南東部,奈半利川河口右岸の町。土佐湾に面する。 1920年町制。江戸時代には土佐国安芸郡の政治,経済,文化の中心。美林で知られる奈半利川上流域の魚梁瀬 (やなせ) 国有林への入口にあたり,かつては森林鉄道起点であった。現在は国道 55号線沿いに発達。貯木場製材所があり,野菜の施設園芸が行われる。福田寺には土佐勤王党二十三志士の墓がある。面積 6.53km2。人口 2498(2020)。

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