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男性ホルモンのしくみとはたらき だんせいほるもんのしくみとはたらき

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家庭医学館の解説

だんせいほるもんのしくみとはたらき【男性ホルモンのしくみとはたらき】

男性ホルモンのはたらき
 男性ホルモンアンドロゲン)は、男性を男性らしくする作用をもつ各種のステロイドホルモンの総称です。
 男性ホルモンのなかでも、もっとも分泌量(ぶんぴつりょう)が多く、作用も強いのがテストステロンです。
 テストステロンは、睾丸(こうがん)の間質細胞(かんしつさいぼう)の中で、原料であるコレステロールにいろいろの酵素(こうそ)がはたらいて、何段階ものステップを経てつくられます。
 血液に入ったテストステロンは、からだをつくっている末端細胞に取り込まれ、そこで5α(アルファ)‐リダクターゼという酵素のはたらきによってジヒドロテストステロンになります。
 ジヒドロテストステロンが、さらにアンドロゲン受容体(レセプター)という物質と結合すると、細胞の核内に入ることができるようになります。核内には遺伝子があり、いろいろなたんぱく質をつくる指令が出ていますが、この遺伝子にはたらきかけて、男性らしいからだをつくるたんぱく合成が行なわれます。こうしてテストステロンは、男性ホルモンとしての作用を発揮するのです。
 テストステロンのおもな作用は、男性性器の発育と機能の維持です。性器の成熟、体毛・恥毛(ちもう)・ひげの発生、変声、夢精(むせい)、性欲の高まり、筋肉・骨格の成長など、思春期に現われる男性らしさ(二次性徴)は、この時期に血中のテストステロンが急激に増えることによっておこります。
◎睾丸の機能と内分泌調整機構
 睾丸のはたらきは、精子をつくる造精機能(ぞうせいきのう)と、男性ホルモンをつくる内分泌機能の2つに分けられます。
 これらの機能は、間脳(かんのう)・下垂体(かすいたい)系から分泌されるホルモン刺激によって調整されています。
 睾丸は下垂体前葉(かすいたいぜんよう)から分泌される性腺刺激ホルモンゴナドトロピン)の作用を受けて機能します。
 ゴナドトロピンには、黄体化(おうたいか)ホルモン(LH)と卵胞刺激(らんぽうしげき)ホルモン(FSH)の2種類があり、睾丸の間質細胞は、主としてLHの作用によって男性ホルモンを合成します。一方、睾丸の精細管には、主としてFSHがはたらいて精子の形成を促します。
 下垂体前葉はさらに、間脳・視床下部(ししょうかぶ)から分泌されるゴナドトロピン放出ホルモン(LH‐RH)の刺激によってLHおよびFSHを分泌します。
 これらの間脳・視床下部になんらかの病変があれば、LH‐RHやゴナドトロピンの分泌は低下することになります。
 睾丸から分泌された男性ホルモンと、精子をつくる機能に関係するたんぱくホルモン(インヒビンと呼ばれています)は、間脳・下垂体系にフィードバックするようにはたらいて、LH、FSH、LH‐RHの分泌をコントロールしています。
 睾丸が正常にはたらかず、男性ホルモンの分泌量が低いと、下垂体はゴナドトロピンの分泌量を増しますが、睾丸のはたらきが十分ならば、下垂体からのゴナドトロピンの分泌は通常のままにとどまります。
 小児では、下垂体~睾丸系の活動が低く抑えられていますが、思春期が近づくと、まずFSHの分泌量が増加して睾丸が大きくなり、ついでLH、テストステロンの分泌量が徐々に増え、二次性徴が現われてくるのです。
 これらのホルモンの分泌量は、青壮年期ではほぼ一定に保たれます。テストステロンの分泌は相当の老年になるまで低下しませんが、LH、FSHの分泌量は初老期以降少しずつ増え、睾丸は小さくやわらかくなってきます。
◎睾丸の機能が障害された場合
 思春期に睾丸から十分に男性ホルモンが分泌されないと、二次性徴は現われません。このような睾丸機能低下症には2つの型があります。1つは、睾丸にもともとの欠陥がある原発性睾丸機能低下症で、もう1つは、間脳・下垂体の機能異常により二次的に睾丸が障害された状態です。
 原発性睾丸機能低下症の場合は、思春期になっても睾丸からテストステロンが出てこないため、からだだけ大きくなって、性器は子どものままとなります。こうした状態では、血中のテストステロン値は低く、間脳・下垂体系へのフィードバック抑制がかからないので、LH、FSHの分泌量が著しく上昇します。
 二次的に睾丸が障害された状態の場合は、間脳・下垂体のはたらきに障害があるため、LH、FSHの分泌が不十分となり、睾丸は正常な刺激を受けられないので、テストステロンの分泌が著しく低下します。
 睾丸機能低下症では、多くの場合、精子は形成されません。原発性睾丸障害では、精細管の精子となるはずの生殖細胞がほとんど脱落・消失してしまいます。また間脳・下垂体の障害では、精細管は子どものように小さく、未熟な生殖細胞だけしかみられません。

出典|小学館
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