画竜点睛(がりょうてんせい)(読み)がりょうてんせい

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

画竜点睛(がりょうてんせい)
がりょうてんせい

事物全体を引き立たせる最後の仕上げ、また事物の眼目(がんもく)となるところをいう。竜を描いて最後の仕上げに睛(ひとみ)をつけるの意。中国南北朝時代の梁(りょう)の画家張僧繇(ちょうそうよう)が南京(ナンキン)の安楽寺の壁に、睛のない2匹の竜を描き、「睛を入れればたちまちに飛び去る」といったところ、人々は妄言をいうなと難じたので、1匹の竜に睛を入れると竜は瞬時にして壁を破って昇天し、睛を入れない竜のみ残った、とある『水衡記』の故事による。また、転じて、総体としてはよくできているが、一点不十分なところがあることを、「画竜点睛を欠く」という。

[田所義行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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