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白川方明 シラカワマサアキ

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デジタル大辞泉の解説

しらかわ‐まさあき〔しらかは‐〕【白川方明】

[1949~ ]銀行家・経済学者。福岡の生まれ。昭和47年(1972)日本銀行に入行。国際局参事や理事を歴任し、平成20年(2008)総裁に就任。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

白川方明 しらかわ-まさあき

1949- 昭和後期-平成時代の銀行家。
昭和24年9月27日生まれ。日銀に入行し,国際局参事,審議役などをへて,平成14年理事。18年京大教授。20年日銀副総裁(総裁代行)をへて第30代日銀総裁に就任した。福岡県出身。東大卒。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

白川方明
しらかわまさあき
(1949― )

経済学者。日本銀行第30代総裁(2008年4月~2013年3月)。昭和24年9月27日福岡県生まれ。東京大学経済学部卒業。シカゴ大学で経済学修士号取得。日本銀行理事、京都大学大学院教授などを経て、2008年(平成20)4月9日に日本銀行総裁に就任、2013年3月19日に任期満了をまたず退任。[白井さゆり]

世界金融危機への対応――日銀総裁就任後から包括的金融緩和の導入まで

2008年秋にアメリカとヨーロッパの金融システムの動揺が高まり、世界経済情勢は急速に悪化した。この時期、日本では経済成長が減速するなかで、ドル円相場は円高ドル安の方向に進んだ。消費者物価指数(CPI)は国際商品価格が急上昇したことで伸びを高めたが、商品価格の高騰がもたらす影響がしだいに弱まり、2008年末までに落ち着いた。以上の経済・物価情勢を背景にして、日本銀行は、総裁の白川(当時)のもとで一連の金融緩和を実施した。
 第一に、政策金利を、2008年10月に0.5%前後から0.3%前後へ、同年12月にさらに0.1%前後まで引き下げた。また、貸付先からの借入れ申請を受けた場合に日本銀行が融資を実施する「補完貸付制度(ロンバート型貸出制度)」に適用される基準貸付金利についても、同時期に0.75%から0.5%へ、その後さらに0.3%まで引き下げた。
 第二に、期間3か月物の「固定金利方式の共通担保資金供給オペレーション」を2009年12月に導入し、この仕組みのもとでの資金供給額を拡大した。
 第三に、企業の資金調達に関する安心感を確保する観点から、2008年12月に「企業金融支援特別オペレーション」を導入した。これは日本銀行に共通担保として差し入れられている民間企業債務の担保の範囲内で、金額に制限を設けずに政策金利で年度末越えの資金を供給する仕組みで、2010年3月末まで実施された。なお、2009年にはコマーシャルペーパー(CP)や社債の買入れも実施した。[白井さゆり]

実質的ゼロ金利政策と包括的金融緩和の導入

リーマン・ショックの発生以来、海外経済は世界各国による積極的な財政拡大と金融緩和によって一時的に落ち着きを取り戻したが、2010年なかばになると財政による需要喚起政策の効果が薄れたこともあって、回復のペースは緩やかになり始めた。さらに、ユーロ圏の債務問題が深刻化し、世界の投資家もリスク回避姿勢をいっそう強めるようになり、アメリカとヨーロッパの社債の信用スプレッドは2010年に拡大し、株価は欧米と日本を含む多くの国で不安定な動きを示した。また、円は相対的な安全通貨とみなされたことから、円高が続いていた。日本経済については、一時は緩やかな回復の兆しがみられたが、海外経済の低迷によって2010年なかばには減速した。そこで、2010年10月に「包括的金融緩和」政策の導入を決定し、政策金利は0~0.1%程度で維持する実質的なゼロ金利政策を採用した。
 この時期のもっとも注目される金融緩和手段は、「資産買入等の基金」の設立である。この基金のもとで、(残存期間が1~3年までの)長期国債、国庫短期証券、社債、CP、指数連動型上場投資信託受益権(ETF)、不動産投資法人投資口 (J-REIT(ジェーリート))などを買い入れた。既存の「固定金利方式の共通担保資金供給オペレーション」を含む同基金による残高は、段階的に拡大を続けた結果、開始当初の35兆円から2012年末には65兆円へ達し、2013年末までに101兆円へ、さらに2014年中に111兆円程度にまで増加していくと見込まれていた。
 2013年3月20日に黒田東彦(はるひこ)が新総裁に就任し、CPI対前年比上昇率2%の物価安定目標の2年程度での早期実現を目ざして、4月4日に「量的・質的金融緩和」を導入すると、白川が導入した包括的金融緩和はこの大規模な資産買入れ政策にとってかわられた。ただし、量的・質的金融緩和政策の特徴の多くは、包括的金融緩和のもとで採用された手段を拡充したものであるため、革新的な金融緩和の土台をつくった白川の貢献は大きい。包括的金融緩和は国債の利回りの低下や貸出金利の低下をもたらし、景気を下支えする効果があったと考えられる。しかし、デフレ脱却や超円高の是正には十分な成果を上げられなかった。
 もう一つ白川のもとで採用された重要な政策が、2013年1月にCPI対前年比上昇率を2%とする物価安定の目標の導入である。「物価安定の目標」とは、持続可能な物価の安定と整合的な物価上昇率を目標とすることである。日本経済の競争力と成長力の強化に向けた(政府や企業を含む)幅広い主体の取り組みが進展すれば、今後、2%に向けて高まっていくと想定されている。
 また、総裁在任中、白川は、少子高齢化による成長期待の低下が家計の恒常所得を下押ししており、これが総需要を抑制していること、および、将来起こる成長率の低下を先取りする形で総需要が下落しており、これがデフレの原因になったとの持論を展開した。[白井さゆり]

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