白榴石(読み)ハクリュウセキ(その他表記)leucite

翻訳|leucite

デジタル大辞泉 「白榴石」の意味・読み・例文・類語

はくりゅう‐せき〔ハクリウ‐〕【白×榴石】

カリウムアルミニウム珪酸塩けいさんえん鉱物ガラス光沢のある白・灰色の24面体の結晶正方晶系カリウムに富む塩基性火山岩中に含まれる。

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精選版 日本国語大辞典 「白榴石」の意味・読み・例文・類語

はくりゅう‐せきハクリウ‥【白榴石】

  1. 〘 名詞 〙 カリウム・アルミニウムの珪酸塩鉱物白色・灰色の半透明で、ガラス光沢がある。二四面体結晶。常温では正方晶系。イタリアなどのアルカリ火山岩中に産し、日本では産しない。肥料用。〔鉱物字彙(1890)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「白榴石」の意味・わかりやすい解説

白榴石
はくりゅうせき
leucite

準長石一種高温(625℃以上)では等軸晶系のため、ざくろ石に似た結晶をすることが多い。カリ長石霞石(かすみいし)の混合物に置換されたものは擬白榴石とよばれる。カリウムに富み、ケイ酸分に乏しい火山岩中にのみ産する。ウガンダコンゴ民主共和国(旧ザイール)、オーストラリア、アメリカのワイオミング州、イタリアなどが主産地。日本では未発見。英名は、白色を意味するギリシア語に由来。

松原 聰]


白榴石(データノート)
はくりゅうせきでーたのーと

白榴石
 英名    leucite
 化学式   KAlSi2O6
 少量成分  Na,Ca
 結晶系   正方
 硬度    5.5~6
 比重    2.5
 色     白~灰
 光沢    ガラス~土状
 条痕    白
 劈開    ほとんどなし
       (「劈開」の項目を参照)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「白榴石」の意味・わかりやすい解説

白榴石
はくりゅうせき
leucite

KAlSi2O6 。高温型は立方晶系,低温型は正方晶系。比重 2.47~2.50,硬度 5.5~6。白色。偏光顕微鏡下では集片双晶が特徴的。複屈折はきわめて小さい。カリウムに富む塩基性,超塩基性岩石の斑晶として産出する。アルカリに富むマグマからは白榴石が最初に晶出するが,温度が 1020℃にまで低下すると,残液と反応してカリ長石と霞石に分れる。

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