皆伐(読み)かいばつ

日本大百科全書(ニッポニカ)「皆伐」の解説

皆伐
かいばつ

森林を構成する林木全部または大部分を一時に伐採し収穫すること。一斉に伐採するので、伐採、造林の技術が比較的容易で確実であり、その時点での経済性も優れているため、業とくに人工林の経営では広く行われている。しかし皆伐すると、林地が一時に露出して肥沃(ひよく)な表土や腐植が流出し、林地の生産力を害したり、跡地の造林地が気象災害や病虫害を受ける、生態系を破壊するといった弊害がおきやすい。とくに皆伐を大面積に行ったり短期間に頻繁に繰り返したりすると、その弊害も著しい。そのため、土地の条件に応じて皆伐面積の制限、皆伐繰り返し期間の延長、皆伐以外の伐採方法の採用などを考慮する必要がある。

[蜂屋欣二]

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デジタル大辞泉「皆伐」の解説

かい‐ばつ【皆伐】

[名](スル)森林などの全部の木をきること。また、開発などのため、きり尽くすこと。「原始林皆伐して土地を開く」

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精選版 日本国語大辞典「皆伐」の解説

かい‐ばつ【皆伐】

〘名〙 森林の樹木を全部伐り尽くすこと。〔農商務省訓令第三〇号‐明治四〇年(1907)一二月二六日・一〇条〕

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世界大百科事典 第2版「皆伐」の解説

かいばつ【皆伐 clear cutting】

林を一時に全部切ること。木材を生産するために林を育てる場合,林全体を切って新たに次の世代の木を植えこむ方法と,一部の木を切りながら次の世代の木を逐次育てていく方法がある。前者の場合には最終的に林全体を切る年が予定されており,これを伐期とよんでいる。伐期に達した林を切ることを間伐に対して主伐とよんでおり,皆伐作業では主伐,間伐がはっきり区別できる。実際には,ごく細い木,空洞になった木,また熱帯林で市場価値のない樹種などが残されることがある。

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