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目的税 もくてきぜいearmarked tax

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

目的税
もくてきぜい
earmarked tax

特定の経費にあてる目的で徴収される。一般の経費にあてるために徴収される普通税に対していう。使途が明確なため納税者の納得を得やすいが,特定の目的以外に使えないため財政全体の運営を窮屈にし,経費支出間に不均衡をもたらすこともあるため,特に国税としてはあまり用いられていない。地方税については普通税と目的税を併用する国が多い。日本では国税の目的税として電源開発促進税などが,道府県税の目的税として狩猟税水利地益税が,市町村税の目的税として入湯税事業所税都市計画税,水利地益税,共同施設税,宅地開発税,国民健康保険税がある。(→租税

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知恵蔵の解説

目的税

税収の使い道が特定されている租税。財政民主主義から導き出される予算原則に、特定の収入と特定の支出を結びつけてはならないというノン・アフェクタシオンの原則がある。目的税は、ノン・アフェクタシオンの原則に違反する。揮発油税が道路財源の目的税になると、揮発油税の税収が生じる以上、道路を整備する必要がなくなったとしても、永久に道路をつくり続けなければならないからである。このように、目的税は財政民主主義という観点から望ましくないにもかかわらず、消費税を福祉財源の目的税とする議論が強まっている。目的税にすると、反対給付がないという租税の性格を弱め、増税の合意が容易になることがそのねらいである。

(神野直彦 東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

もくてき‐ぜい【目的税】

特定の経費に充てるために課される租税。都市計画税・国民健康保険税・水利地益税など。→普通税

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百科事典マイペディアの解説

目的税【もくてきぜい】

特定の経費を支弁するために課される普通税(一般税)に対する。目的税が重きをなした時代もあるが,現代ではほとんど普通税であり,目的税は例外的。ただし国税では石油税,電源開発促進税など,地方税では,軽油引取税,都市計画税,自動車取得税など目的税もある程度存在する。
→関連項目地方税道府県税都市計画税

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

目的税

税金の種類のうち、その使い道をあらかじめ特定したうえで徴収する税金を目的税という。これに対し、特に使い道を特定しない税金を普通税という。 道府県が徴収する目的税には、例えば「自動車取得税」「軽油引取税」があるが、これらは道路整備など道路に関する費用に充てられる。また市町村が徴収する「入湯税」「国民健康保険税」なども目的税に該当する。ちなみに近年では、消費税を福祉目的税として用いるかどうかという議論もある。 本来、税金はすべてを取りまとめたうえで適正に支出配分されることが望ましい。特定の税収を特定の目的のために限定することは、予算編成の柔軟性といった側面からはマイナスである。ただし一方で、政治的な思惑によっては必ずしも適切な配分がされない可能性もあり、そうした意味では目的税によって予算編成にしばりを設けることが望ましい結果につながる場合もありうる。

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大辞林 第三版の解説

もくてきぜい【目的税】

特定事業の財源にあてるために課せられる税。地方道路税・都市計画税など。 → 普通税

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

目的税
もくてきぜい
earmarked tax

その収入の使途が、特定の支出対象に向けられる税。普通税(一般税)に対比される概念である。予算原則の一つとしてノン・アフェクタシオンの原則rgle de non-affectation(フランス語)というのがある。これは特定の収入と特定の支出との間に特別関係をつけてはならないという原則であるが、目的税はこのノン・アフェクタシオンの原則に対する例外を形成する。
 目的税は、直接的に料金を徴収することが困難であるが、便益との対応が明確であるような公共財・サービスの資金調達には向いている。たとえば、一般道路は料金徴収所を建設したり徴収者を配置したりすることが技術的または経済的に不可能であるから、直接的な料金という形での負担の徴収をすることができない。しかし、道路の便益は主として自動車の利用者により享受されていると考えられるから、直接的な道路の利用料のかわりに、自動車の保有とか取得、または自動車の運行に不可欠な燃料に対して課税するならば、道路の利用料のかわりとして徴収も簡単であるし、かつ道路利用の便益に対応するとみなすことができる。また、このように負担と便益の対応関係が比較的明確であるから、その収入の使途は道路の建設費や修理費にあてられることになる。
 このような考えから、わが国においても、目的税として、地方税の都道府県税では軽油引取税や自動車取得税などが、市町村税では入湯税、事業所税、都市計画税、水利地益税、共同施設税、宅地開発税、国民健康保険税などが設けられている。また、国税では、地方道路税が目的税とされる。また、ほかに揮発油税、石油ガス税、自動車重量税なども実質的には目的税であり、これらの税収は全額道路整備など交通対策上の所要財源にあてることとされている。[林 正寿]

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世界大百科事典内の目的税の言及

【租税】より

…いわゆる一般税と呼ばれている租税がこれにあたる。これに対し,特定の経費にあてるために特定の租税を課することがあるが,このような租税は目的税と呼ばれている。目的税の場合は,その収入の使途が限定されているところに特性がある。…

※「目的税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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