使途が特定されている市町村の目的税で、一定の市町村が行う都市計画事業や土地整理事業に必要な費用にあてるため、都市計画区域のうち、原則として市街化区域内に土地や家屋のある人や会社などに課せられる税である。都市計画事業や土地区画整理事業を実施すれば、その区域内の土地や家屋の利用価値が高まり、また価格が上昇する。そこで、これらの利益を最終的に受けると考えられる人たちに対してかけられるのがこの税である。いわゆる受益者負担課税の一種である。
都市計画税の課税客体、納税義務者、課税標準などは、固定資産税の場合とほぼ同じである。税率は0.3%を超えることはできない。通常、固定資産税とあわせて徴収される。固定資産税と同様、農地については税負担の調整が行われている。つまり、特定の市街化区域農地については、税負担が急変しないように、軽減税率で課税することになっている。
[中野博明]
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…なお,土地価格の上昇が著しく,時価による課税を行えば負担の急増が生じるので,現在では年々の税額の上昇をなだらかにするための負担調整措置が講じられている。ちなみに,土地・建物を課税物件として課せられる市町村税には,別に都市計画税がある。【宇田川 璋仁】。…
…地方公共団体の場合,都市計画事業の財源は地方公共団体の一般財源と国庫支出金,事業収入,起債などによってまかなわれている。市町村については目的税としての都市計画税の制度がある。また,都市計画事業によって著しく利益を受ける者があるとき,その利益の限度において,事業費の一部を負担させる受益者負担金の制度がある。…
…また土地租税には,土地の売買によって実現するキャピタル・ゲイン(資産の値上がり利益)の一部を公共に還元させることによって所得の再分配を進める機能もある。租税は一般的に所得税,流通税,財産税に分類されるが,日本の現行の土地租税には譲渡所得税(所得税),不動産取得税・登録免許税(流通税),固定資産税・都市計画税・特別土地保有税・相続税・譲与税および新設の地価税(1992年施行)(財産税)などがある。これらのうち財産税は,土地を所有することに対して,その土地の市場価格に一定率を乗じた額を課税するものであり,土地所有者はこの税がかけられると税負担に耐えるために土地を手放すか,あるいはみずから土地の有効な利用を進めなければならなくなるから,いずれにしても土地市場における供給促進の効果が期待できる。…
※「都市計画税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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