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直弧文 チョクコモン

百科事典マイペディアの解説

直弧文【ちょっこもん】

古墳時代に用いられた日本独特の文様。直線と弧線を組み合わせた複雑な文様で,石棺,刀装具,鏡,土器などに見られる。単なる装飾文ではなく,呪術(じゅじゅつ)的な意味をもつものと考えられる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょっこもん【直弧文】

古墳時代に用いた特殊な構図をもつ文様。斜め十字に重ねた2本の帯の側縁における交点を中心として,旋回する帯を渦状に配置し,さらにそれらの間に出没する帯の表現を加えたもの。斜交帯の存在を表面に出す構図と,渦状帯の背後にほとんど隠す構図がある。斜交帯を隠す構図では,その一側縁のみが表面に出ているので,斜交軸とも,対角線とも見なせる。これを対角線と見て想定した方形ないし長方形が,ほぼ直弧文の1単位をかこむ枠になる。

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大辞林 第三版の解説

ちょっこもん【直弧文】

古墳時代の文様で、直線と弧線が結合した幾何学的文様。仿製鏡・形象埴輪・石棺・装飾古墳・鹿角製刀柄に描かれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

直弧文
ちょっこもん

日本の古墳時代前半期(4~6世紀)に用いられた特徴的な文様。近年その遡源(そげん)は弥生(やよい)終末期の器台形土器文様までたどることができそうである。典型的な直弧文の構成は、斜め十字に交差する2本の直線と、その交点を中心としてめぐる帯状弧線が基本となるとみられており、法則性をもっている。装飾古墳初期の直弧文ではA型、B型、鍵手(かぎのて)文などが知られているが、古い直弧文では多線帯状文の渦状表現が目だつ。施文対象としては靫(ゆぎ)、木製や鹿角(ろっかく)製の刀剣装具、装飾古墳の石棺や石障(せきしょう)などがある。埴輪(はにわ)でも靫、盾(たて)、蓋(きぬがさ)などにみられることは、木製・革製品などにもかなり広く用いられていた可能性があり、当時の代表的な特有の文様であったと思われる。[伊藤玄三]

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世界大百科事典内の直弧文の言及

【装飾古墳】より

… 九州北部地方の装飾古墳は,ほぼ5世紀中葉から7世紀前葉にかけて営造したものである。4種のうちでまず現れたのは,石棺直弧文(ちよつこもん)を彫刻したものである。これには,福岡県石人山(せきじんやま)古墳の家形石棺のように,棺蓋に直弧文を浮彫したものと,熊本県鴨籠(かもご)古墳の家形石棺のように,棺蓋に直弧文を線刻したものと,福岡県浦山(うらやま)古墳の家形石棺のように,棺身の内面に直弧文を線刻したものとがある。…

※「直弧文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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