斜方角閃石(かくせんせき)の一種。繊維状ないし葉片状の結晶集合をする。滑石化しやすく、見かけの硬度は低いことがある。広域変成岩や接触変成岩中に産し、とくに変成を受けた超塩基性岩中にはよくみられる。鉄をほとんど含まない苦土直閃石は、日本では岩手県一関(いちのせき)市大東(だいとう)町の変成した超塩基性岩中に知られている。多くの場合は少量の鉄を含む直閃石である。鉄のほうがマグネシウムより多くなったものは、鉄直閃石とよばれる。花崗(かこう)岩ぺグマタイトや変成マンガン鉱床中には、別のタイプの斜方晶系型のものが産し、プロト直閃石、プロト鉄直閃石、プロトマンガン鉄直閃石という名前がつけられている。3種とも日本で初めて発見された鉱物である。植物の丁子(ちょうじ)のような褐色をすることがあるので、英名は丁子を意味する近代ラテン語に由来する。和名は、偏光顕微鏡下で直消光する角閃石という意味である。
[松原 聰]
anthophyllite
化学組成(Mg, Fe2+)7Si8O22(OH, F)2の鉱物。角閃石上族,(OH-F-Cl)族,Mg-Fe-Mn亜族に属する。Mg→Fe2+置換は0.7<Mg/(Mg+Fe2+)≦1.0の範囲で完全。高温でカルシウム角閃石と限定的(約3mol%)に,ゼードル閃石とほぼ連続的に固溶し,低温では離溶する。直方晶系,空間群Pnma, 格子定数a1.86nm, b1.80, c0.529, 単位格子中4分子含む。単斜晶系で空間群P21/mの準安定相(P-カミントン閃石)がある。高温では単斜晶系で空間群C2/mに相転移すると考えられている。肉眼では白・灰緑色。長柱状または繊維状結晶の集合体。劈開面{210}で完全。(210)∧(210)~54.5°。硬度5~6,比重~2.85。薄片中無~淡緑色。屈折率α1.587~1.65,γ1.613~1.67, 光学的二軸性(-),2Vx~69°。多色性は弱い。超苦鉄質岩の変成作用または交代作用によって生成。またMgに富む変成岩にみられる。チョウジに似た褐色を示すことから,ラテン語のanthophyllumに由来。
執筆者:冨田 克敏・加藤 昭
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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